バラ栽培、楽しいですけど病気や害虫が本当に悩ましいですよね。せっかく咲きそうだった蕾がアブラムシだらけになったり、葉にうどんこ病や黒星病が広がったり…。
そこで活躍するのが殺虫剤と殺菌剤なんですが、これを別々に散布するのは正直かなりの手間かなと思います。春先のシーズン中は、1〜2週間おきに散布が必要になることもありますし、作業は一度で済ませたいのが本音です。
できれば効率よく、殺虫剤と殺菌剤の組み合わせで一度に散布したいですよね。
でも、いざやろうとすると、「この組み合わせで大丈夫?」「薬害が出たらどうしよう」「そもそも混ぜる順番は?」「おすすめの薬剤って何?」といった疑問や、正しい希釈の作り方、散布の時間帯など、たくさんの注意点が出てきて不安になりませんか?
この記事では、そんなバラの薬剤散布に関する「混ぜても大丈夫?」という不安を解消するために、私が調べた安全な組み合わせの基本ルールや、薬剤耐性を防ぐローテーションの考え方について、もう少し詳しく深掘りしてまとめてみました。
- 安全な薬剤混合の「順番」と「剤形」の関係
- 薬害を防ぐための散布時間帯と希釈のコツ
- 薬剤耐性を防ぐ「ローテーション」の考え方
- 混ぜてはいけない危険な組み合わせ(ボルドー液など)
殺虫剤と殺菌剤の組み合わせ、バラの必須知識

まず最初に、薬剤を混ぜる(混用する)ってことの基本的な知識と、絶対に知っておくべきリスクについて見ていきたいと思います。これを押さえておかないと、バラに良かれと思ってやったことが、スプレーヤーを壊したり、最悪の場合バラを枯らしてしまったりと、逆効果になってしまうかもしれません。
組み合わせの注意点と3つのリスク
薬剤の組み合わせって、ただ「手間を省く」というメリットだけじゃなく、専門的な知識なしに行うと、主に3つの大きなリスクが伴うことを知っておく必要がありますね。
物理的リスク:薬剤の凝固・沈殿
これが一番「やってしまった…」となりやすいミスかもしれません。異なる種類の薬剤(専門的には「剤形」が異なる薬剤)を不用意に混ぜると、薬剤の粒子が化学反応を起こして、ダマ(凝固)になったり、タンクの底に沈殿したりすることがあるそうです。(参照:Virginia Tech “Understanding Spray Tank Mixing Practices”)
この状態になると、スプレーヤー(噴霧器)の細いノズルが詰まってしまい、散布が不可能になります。(参照:Nichino UK “Poor tank mixing & incompatibility risks plant health”)
一度詰まると、掃除するのも本当に大変です…。
さらに、タンク内で均一に混ざっていないため、もし散布できたとしても薬剤の濃度にムラができてしまい、効果が著しく低下したり、逆に一部だけ濃度が濃くなって薬害が発生したりする原因にもなります。
化学的リスク:薬害の発生
薬剤の組み合わせによっては、互いの成分が反応し、植物にとって有毒な物質に変化してしまうことがあります。これが「薬害」です。
薬害が発生すると、バラの葉が変色したり(黄変・白化)、縮れたり、硬化したり、ひどい場合には落葉や枯死に至ることもあります。
特に、油性である「乳剤」タイプの薬剤は、高温時に散布すると葉が焼けたようになり、薬害が出やすい傾向があるので注意が必要ですね。(参照:Rosen Tantau “Plant protection in the garden – the right timing”)
生物学的リスク:薬剤耐性の発達
これがバラ栽培における薬剤散布で、最も恐ろしく、長期的に見て最悪の失敗かもしれません。
いつも同じ殺虫剤、あるいは同じ有効成分の殺菌剤を連続して使用し続けると、どうなるか。
その薬剤で死ななかった、ごく少数の「耐性」を持ってしまった個体(病原菌や害虫)だけが生き残ります。生き残った耐性のある個体は、天敵もライバルもいなくなった環境で爆発的に増殖します。
その結果、数週間後には「薬を撒いているのに、病気も害虫もまったく止まらない」という絶望的な事態に陥ります。これが薬剤耐性(レジスタンス)の発達です。
これらのリスクを避けるための具体的なルールが、この後に出てくる「混合順序」や「散布時間」、「ローテーション」なんですね。
薬害を防ぐ散布の時間帯

薬剤散布は「何を」混ぜるかだけでなく、「いつ」散布するかも、薬害を防ぐ上で非常に大事です。
薬害のリスクを最小限にするためのベストな時間帯は、「早朝」だと言われています。(参照:Santa Clarita Rose “How to Spray Roses to Prevent Insects and Diseases”)
散布は「早朝」がベストな理由
- 薬害リスクの最小化:気温が本格的に上がる日中を避けられます。高温は薬害(特に葉焼け)の最大の原因です。
- 散布効率の向上:早朝は葉がまだ立ち上がっており、害虫や病原菌が潜む「葉裏」にも薬剤が届きやすいです。
- 病気予防:散布後、朝日とともに葉が速やかに乾くため、病原菌が好む「葉が湿った状態」が短時間で済みます。
避けるべき時間帯
逆に、以下の時間帯や条件での散布は避けるべきです。
- 高温の日中:絶対にNGです。気温が25℃、特に30℃を超えるような時間帯は、植物の気孔が開いて蒸散が活発になっており、薬剤の成分も濃縮されやすいため、薬害(葉焼け)のリスクが爆発的に高まります。
- 風の強い日:薬剤が飛散し、均一に散布できないだけでなく、近隣への迷惑や、散布者自身が薬剤を浴びてしまうリスクがあります。
- 夕方(日没後):次善の策とされがちですが、注意が必要です。散布後に葉が夜間ずっと湿ったままになり、気温が下がると、かえって「うどんこ病」などのカビ系病気の繁殖を助長してしまうリスクがあります。
- 雨の直前・直後:直前は雨で薬剤が流れてしまいますし、直後は葉が濡れていて薬剤が均一に付着しにくいです。
やはり、風のない穏やかな日の「早朝」が、あらゆる面で最適解と言えそうですね。
厳守すべき薬剤混合の順番
さて、ここが最重要ポイントの一つ、「混ぜる順番」です。
さっきのリスク1(固まる・詰まる)を防ぐためですね。この順番は、製品名ではなく「剤形(ざいけい)」という、薬剤のタイプ(粉なのか液体なのか、など)で決まっています。
製品のラベルや箱に「水和剤」「乳剤」「フロアブル剤」などと必ず記載されているので、散布前にチェックしてみてください。
剤形とは?
剤形とは、薬剤がどのような物理的形態で製品化されているかを示す分類です。
- 水和剤 (WP): 水に溶けない微細な有効成分の粉末。水に入れると懸濁(白く濁った状態)します。
- 顆粒水和剤 (WG) / 水溶剤 (SP): 水に速やかに溶ける、または分散する顆粒・粉末状の薬剤。(例:モスピラン顆粒水溶剤)
- フロアブル剤 (SC): 水和剤の微粒子をあらかじめ水に分散させ、液体状(粘性のあるドロっとした状態)にしたもの。(例:トップジンMゾル、サルバトーレME)
- 乳剤 (EC): 有効成分を油(有機溶剤)に溶かした薬剤。水に入れると乳化(白く濁る)します。(例:サプロール乳剤、ベニカR乳剤)
- 展着剤: 薬剤を葉の表面に均一に広げ、雨などで流れにくくするために加える補助剤です。
大原則:水に溶けやすいものから先に入れる!
スプレーヤーのタンクに半分ほど水を入れ、以下の順番で「1種類ずつ」溶かしていきます。1つ入れたらよく撹拌(かくはん)し、完全に溶けた(または均一に分散した)ことを確認してから、次の薬剤を入れるのが鉄則です!焦って次々に入れると、この順番を守っても凝固することがあります。
この混合順序は、多くの農薬メーカーが推奨している標準的な方法です。(出典:住友化学園芸「薬剤の混合(混用)について」)
| 投入順 | 剤形(代表例) | 解説(なぜこの順番か) |
|---|---|---|
| 1 | 展着剤 (ダインなど) | 最初に水の性質を変え、後の薬剤の混ざりを良くします。※製品によっては最後に入れるタイプもあるので説明書確認! |
| 2 | 水溶剤 (SP)・顆粒水和剤 (WG) (例: モスピラン顆粒水溶剤) | 水に最も溶けやすい(なじみやすい)粉や顆粒。最初に溶かしきります。 |
| 3 | フロアブル剤 (SC) (例: サルバトーレME, トップジンMゾル) | 液体ですが中身は微粒子。乳剤(油性)より先に水に分散させます。 |
| 4 | 乳剤 (EC) (例: サプロール乳剤, ベニカR乳剤) | 油性の薬剤。水性のものが全て溶けた後に入れると均一に乳化(白濁)します。 |
| 5 | 水和剤 (WP) (例: GFオルトラン水和剤) | 最も水に溶けにくい(分散しにくい)粉末。他の薬剤の溶解を妨げないよう、最後に入れます。 |
全ての薬剤を入れ終わったら、規定量まで残りの水を加え、再度タンク全体をよく撹拌してから散布を開始します。
この順番を守るだけで、スプレーヤーが詰まる物理的トラブルは、ほぼ確実に回避できるみたいです。
薬剤の正しい希釈と作り方

薬剤散布でやりがちな、もう一つの重大なミスが「希釈倍率」かなと思います。
「濃いほうがよく効きそう」という気持ちは分からなくもないですが、これは絶対にやってはいけません。規定より濃くしてしまうと、効果が上がるどころか、薬害(葉焼け)のリスクが爆発的に上がります。
逆に「薄すぎても」ダメです。効果が出ないばかりか、中途半端に薬剤に触れた病害虫が耐性を獲得するのを助長してしまう可能性すらあります。
メーカーが定めた規定の希釈倍率を、必ず守りましょう。
希釈計算の例
(例)1000倍希釈液を「1L (1000ml)」作る場合
1000ml (作りたい量) ÷ 1000 (倍率) = 1ml (必要な薬量)
→ 水1Lに対し、薬剤を1ml(または1g)入れます。
(例)2000倍希釈液を「5L (5000ml)」作る場合
5000ml (作りたい量) ÷ 2000 (倍率) = 2.5ml (必要な薬量)
→ 水5Lに対し、薬剤を2.5ml入れます。
家庭園芸では一度に使う量が少ないため、農業用の大容量ボトルではなく、あらかじめ小分けにされた粉末・顆粒製品や、希釈用のスポイト付き計量カップがセットになった製品を利用するのが賢明かなと思います。
また、希釈した薬剤は「作り置き」できません。(参照:Purdue Agriculture “Avoid Tank Mixing Errors”)
多くの薬剤は水に溶かした瞬間から有効成分の分解が始まります。散布する直前に必要な量だけ作り、その日のうちに必ず使い切るようにしてください。
混合厳禁!ボルドー液の危険性
ほとんどの薬剤と組み合わせられるものが多い中で、これだけは「絶対に混ぜるな危険」とされているものがあります。
それが「ボルドー液」や「石灰硫黄合剤」といった、アルカリ性の強い薬剤です。
ボルドー液・石灰硫黄合剤との混用は厳禁!
これらの薬剤は強アルカリ性です。これを他の多くの薬剤(特にトップジンMゾルや有機リン系殺虫剤など、酸性で分解しやすいもの)と混合すると、有効成分が化学的に分解されて効果がゼロになる(失活する)だけでなく、有毒なガスが発生したり、深刻な薬害を引き起こしたりする可能性があります。
製品ラベルに「ボルドー液との混用は避けてください」といった「混用禁止」の記載がある組み合わせは、絶対に守ってください。
最終的には、使用する薬剤のラベルやメーカーのウェブサイトに掲載されている「混用適否表」を必ず確認することが、最も確実な安全策となります。
バラの殺虫剤と殺菌剤の組み合わせ実践ガイド

基本的なルールがわかったところで、次は実践編です。「じゃあ、具体的に何と戦って、どの薬を選べばいいの?」というところを見ていきましょう。病害虫の種類によって、選ぶべき薬剤も変わってきますからね。
対象病気(うどんこ病・黒星病)
バラで本当によく見る、代表的な病気はこの2つかなと思います。どちらもカビ(糸状菌)の一種です。
うどんこ病の特徴と発生条件
葉や蕾、新芽に、まるで白い粉(うどん粉)をまぶしたようになる病気です。見た目が悪いだけでなく、光合成を妨げてバラの生育を著しく悪化させます。
日当たりや風通しが悪い環境、特に湿度が高く、気温が安定する春や秋に発生しやすいです。また、肥料(特に窒素)が多すぎると枝葉が軟弱に茂りすぎ、風通しが悪化して発生を助長します。
予防策としては、まず「風通しを良くする剪定」が基本ですね。
黒星病(黒点病)の特徴と発生条件
こちらは葉に黒い斑点ができ、やがてその周囲が黄色く変色し、最後はハラハラと落葉してしまう病気です。下葉からスカスカになっていくのが特徴で、株全体の体力を奪います。
黒星病は雨や水やりの「水滴」の跳ね返りによって胞子が広がり、葉が濡れた状態が続くと発生・蔓延します。
予防策としては、水やりは株元に静かに行い、葉に水をかけないこと。また、雨の跳ね返りを防ぐために株元をマルチング(ワラやバークチップで覆う)するのも有効です。
対象害虫(ハダニ・アブラムシ)
害虫も色々いますが、特に厄介で、発生頻度が高いのがこの2つ。
ハダニの特徴と発生条件
非常に小さく(0.5mm程度)、肉眼では見えにくいですが、葉の裏にびっしり寄生して樹液を吸います。被害が進むと、葉の表面が白っぽくカスリ状になり元気がなくなります。さらに進行するとクモの巣のような膜を張ることも。
ハダニは高温・乾燥した環境が大好き。水を嫌う性質があるため、雨の当たらないベランダや軒下は、ハダニにとって絶好の環境となります。
こまめに葉の裏にも水をかける「葉水」が、物理的に洗い流す効果と多湿環境を作る効果で、一番の予防になりますね。
アブラムシの特徴と発生条件
これはもうお馴染みかもしれません。春になると、柔らかい新芽や蕾に群生し、樹液を吸います。生育を阻害するだけでなく、排泄物が「すす病」の原因になったり、ウイルス病を媒介することもあるので、早めに退治したい相手です。
見つけ次第、手やテープで取り除くか、水圧で流すのが手っ取り早いですが、増えてくると薬剤の出番となります。
おすすめ殺菌剤の有効成分

お店にはたくさんの殺菌剤が並んでいますが、選ぶ基準は「製品名」ではなく「有効成分」、そしてその「作用機構(どう効くか)」です。これが後で話す「ローテーション」の鍵になります。
よく使われるのはこのあたりでしょうか。
- サルバトーレME (有効成分: テトラコナゾール) →うどんこ病・黒星病に。[EBI剤]という系統で、カビの細胞膜の合成を阻害します。予防効果だけでなく、発病後の治療効果も高いのが特徴です。
- トップジンMゾル (有効成分: チオファネートメチル) →広範囲のカビに効く、予防と治療の兼用タイプ。[ベンゾイミダゾール系]という系統です。
- サプロール乳剤 (有効成分: トリホリン) →黒星病・うどんこ病に。上記2つとはまた異なる系統の薬剤です。
※これらはあくまで一例です。お住まいの地域やバラの品種、その年の気候によって発生しやすい病気や効果は異なります。また、薬剤耐性菌の発生状況によっても効き目が変わることがあります。
おすすめ殺虫剤の有効成分
殺虫剤も同様に「有効成分」と「系統」で選びます。
- モスピラン (有効成分: アセタミプリド) →アブラムシなどに。[ネオニコチノイド系]。浸透移行性(植物に浸透し、それを吸った虫が死ぬ)に優れます。
- GFオルトラン (有効成分: アセフェート) →アブラムシやヨトウムシなどに。[有機リン系]。これも浸透移行性があります。
- ベニカR乳剤 (有効成分: フェンプロパトリン) →ハダニ、アブラムシなど広範囲に効くタイプ。[ピレスロイド系]です。ハダニにも効くのがポイントですね。
※これも一例です。ハダニは特に薬剤耐性がつきやすいため、ハダニ専用の「殺ダニ剤(ダニコール、コロマイトなど)」をローテーションに組み込むのも専門的な管理では一般的です。(これらは殺虫剤とは区別されることもあります)
耐性を防ぐローテーション計画

いよいよ最後の仕上げ、「ローテーション」です。
リスク3で触れた「薬剤耐性」を防ぐための、最も重要な戦略ですね。これをおろそかにすると、高価な薬剤が全て無駄になってしまうかもしれません。
「ローテーション」の間違ったやり方
「先週はA社の薬、今週はB社の薬」というように、メーカーや製品名だけを変えてローテーションしても意味がない場合があります。
もしA社とB社の薬の「有効成分」が偶然同じ(あるいは同じ「系統」)だったら、それは「連続使用」と同じです。かえって耐性菌・耐性害虫を強力に選別して育てることになってしまいます。
「ローテーション」の正しいやり方
「有効成分(あるいは、作用機構の系統)」が異なる薬剤を順番に使うこと、これが正しいローテーションです。
先ほどの例で挙げた薬剤をグループ分けしてみます。
- 殺菌剤A群(EBI剤): サルバトーレME
- 殺菌剤B群(ベンゾイミダゾール系): トップジンMゾル
- 殺虫剤D群(ネオニコチノイド系): モスピラン
- 殺虫剤E群(有機リン系): オルトラン
- 殺虫剤F群(ピレスロイド系): ベニカR乳剤
(例)アブラムシとうどんこ病が出ている月のローテーションプラン
| 散布時期 | 殺虫剤の選択(系統) | 殺菌剤の選択(系統) |
|---|---|---|
| 1回目 (月初) | 【D群】モスピラン | 【A群】サルバトーレME |
| 2回目 (2週間後) | 【E群】オルトラン | 【B群】トップジンMゾル |
このように、前回使った有効成分とは「別グループ」の薬剤を選択することで、A群で生き残ったかもしれない耐性菌をB群で叩き、D群で生き残ったかもしれない耐性害虫をE群で叩く、という戦略がとれるわけですね。
殺虫剤と殺菌剤の組み合わせ、バラ管理の結論
バラの殺虫剤と殺菌剤の組み合わせについて、私なりに深掘りして調べてみました。
結論としては、「厳格なルールを守れば、薬剤の混合散布は効率的で安全な防除は可能」ということかなと思います。
押さえておくべき重要なことは、
- スプレーヤー詰まりを防ぐため、混ぜる「順番」(剤形)を絶対に守ること。
- 薬剤を効かなくさせないため、「有効成分(系統)」でローテーションを組むこと。
- 薬害を防ぐため、散布「時間帯」(早朝)と「希釈倍率」を厳守すること。
- 化学分解や薬害を避けるため、「ボルドー液」などアルカリ性薬剤とは絶対に混ぜないこと。
といったところですね。
ただ、薬剤(化学的防除)は強力ですが、万能ではありません。一番大事なのは、そもそも病害虫が発生しにくい健康な株を育てること。日々のこまめな観察、咲き終わった花がら摘み、風通しを良くするための剪定(物理的防除)、そして適切な肥料管理(窒素過多を避ける)といった予防的な栽培管理こそが、結果として薬剤の使用回数を減らす一番の近道なんだろうなと、改めて感じました。
本記事で紹介した薬剤名や方法は、あくまで執筆時点での一般的な情報に基づいています。薬剤の使用にあたっては、必ず製品のラベルや最新の説明書を熟読し、メーカーの指示に従ってください。
また、薬剤の登録内容(対象作物や病害虫)は変更される場合があります。「混用適否表」も毎年更新されることがありますので、最新の情報を確認することが重要です。
ご自身のバラの状態や環境(井戸水の使用など、水のpHが影響することもあります)に合わせて、不明な点は購入した園芸店や、メーカーの相談窓口、または地域の園芸に詳しい専門家にご相談されることを強くおすすめします。

