煮物が食卓に並ぶとほっとする一方で、献立の組み合わせに悩むことってありませんか。
煮物をメインにすると「ご飯が進まない」と言われたり、逆に副菜にしようとするとメインに何を持ってくればいいのか迷ったり。
気がつけば食卓全体が茶色一色になってしまって、見た目が地味になってしまうのも煮物あるあるですよね。私自身も、栄養バランスを考えながら家族が喜ぶメニューを組むのに苦労してきました。毎日忙しい中で、味のバランスや彩りまで考えるのは本当に大変な作業です。
- 煮物が主菜や副菜になる際の最適な献立パターンの理解
- 茶色くなりがちな食卓を彩り豊かに見せる具体的な工夫
- ボリューム不足やマンネリを解消する食材選びと調理のコツ
- 余った煮物を翌日の別メニューに変身させるリメイク術
主菜になる煮物の献立と組み合わせの正解

煮物をメインディッシュにする場合、どうしてもボリューム感や見た目の華やかさが不足しがちですよね。ここでは、煮物を主役に据えつつ、家族みんなが満足できる献立の組み立て方や、味のバランスの取り方について詳しく見ていきましょう。
魚の煮付けに合うさっぱり副菜と汁物
サバの味噌煮やカレイの煮付けなど、魚介系の煮物はご飯が進む最高のメインおかずです。ただ、味が濃厚だったり脂が乗っていたりするので、副菜には口の中をリフレッシュできる「さっぱり系」を合わせるのが鉄則かなと思います。
個人的におすすめなのは、「きゅうりとみょうがの浅漬け」や「なすのレンジ蒸し」といった、お酢やポン酢を使ったメニューです。これらは魚の生臭さを和らげてくれる効果も期待できますし、何より食感の対比が生まれて飽きずに食べられます。
汁物に関しては、メインが味噌味の場合は「すまし汁」を選ぶのがポイントです。味噌汁にしてしまうと塩分が気になりますし、味も被ってしまいますからね。具沢山の豚汁などにするなら、汁の量を控えめにする、味噌をやや少なめにする、といった工夫もアリですよ。
肉じゃがなど肉の煮物に合わせるもう一品
肉じゃがや筑前煮は、お肉も野菜も入っていて栄養満点ですが、育ち盛りのお子さんや男性からは「これだけだと物足りない」と言われてしまうことも。そんな時は、思い切って「ダブルメイン」の戦略をとってみるのも良いかもしれません。
例えば、筑前煮には「白身魚の野菜あん」や「鶏肉のつくねバーグ」などを合わせると、満足度がぐっと上がります。ちょっと手間に感じるかもしれませんが、煮物を多めに作っておいて、もう一品は焼くだけ・レンジだけのおかずにすれば意外と楽ちんです。
また、もっと手軽に済ませたい時は、納豆やサバの塩焼きをプラスするだけでもOK。これなら準備も簡単ですし、ご飯が進むこと間違いなしですね。
煮物献立で子供が喜ぶボリュームの出し方
「煮物は地味」というイメージを払拭して、子供にも喜んで食べてもらうには、ちょっとした洋風アレンジや食材選びが鍵になります。
意外と盲点なのが、冬の時期に美味しい「クリーム煮」です。キャベツと鶏むね肉、さつまいもなどをクリームソースで煮込むだけで、一気に子供ウケするメニューに早変わりします。これなら野菜もたくさん食べてくれそうですよね。
また、いつもの煮物に「厚揚げ」や「鶏むね肉」をプラスするのもおすすめ。厚揚げは煮崩れしにくくてお肉のような食べ応えがありますし、鶏むね肉は片栗粉をまぶして煮ることでトゥルンとした食感になり、パサつきも防げます。安価でボリュームアップできるので、節約メニューとしても優秀です。
茶色い食卓を回避するサラダと彩りの工夫
煮物を作ると、どうしても食卓が茶色くなってしまう問題。これを解決するには、意識的に「赤・緑・黄」の食材を取り入れる「色彩戦略」が必要です。
おすすめの彩り食材リスト
・緑:小松菜、インゲン、大葉、ブロッコリー
・赤:トマト、人参、赤パプリカ、梅干し
・黄:卵焼き、コーン、さつまいも
例えば、煮物のトッピングに絹さやを散らすだけでも印象は変わりますが、副菜で「トマトとオクラの和え物」や「紫キャベツのラペ」などを添えると、一気にカフェのようなおしゃれな食卓になります。紫色はモダンな印象を与えてくれるので、野暮ったさを消すのに効果的ですよ。
栄養バランスを整える汁物やスープの選び方
献立の仕上げとなる汁物は、主菜と副菜で足りない栄養素を補う「調整役」として考えるとスムーズです。
煮物が野菜たっぷりの場合は、汁物は豆腐やわかめなどのシンプルなものでOK。逆に煮物がお肉メインで野菜が少なめの時は、具沢山の野菜スープやけんちん汁などを合わせるとバランスが整います。
注意したいのは塩分です。煮物はしっかりと味がついていることが多いので、汁物は出汁を効かせて塩分を控えめにするのが「減塩のコツ」かなと思います。カリウムを含む野菜をたっぷり入れたスープなら、体内の余分なナトリウムの排出を助けてくれるとされており、減塩を意識したいときにも役立ちます。(出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)カリウムの項」)
副菜としての煮物に合う献立と組み合わせ例

煮物を小鉢として添える場合、メインディッシュを引き立てつつ、栄養バランスを底上げする名脇役としての働きが求められます。ここでは、メイン料理別の相性の良い組み合わせや、余った煮物の活用法についてご紹介します。
揚げ物やハンバーグなどメインとの相性
ハンバーグや唐揚げといった人気のメイン料理には、切り干し大根やひじきの煮物が驚くほどよく合います。これは単に味が合うだけでなく、栄養学的にも理にかなった組み合わせなんです。
例えば、脂っこい唐揚げには、食物繊維が豊富なひじきの煮物を合わせることで、余分な脂質の排出を助けてくれる効果が期待できます。味の面でも、こってりした揚げ物の合間に食べる煮物の優しい甘さは、口の中をリセットする「箸休め」として最適ですよね。
ハンバーグの献立なら、切り干し大根のポリポリとした食感が良いアクセントになります。柔らかいハンバーグと歯ごたえのある煮物のコントラストを楽しんでみてください。
野菜不足を補うための副菜煮物の活用法
「今日は野菜が足りないかも…」と心配な時こそ、作り置きの煮物の出番です。小松菜の煮浸しやかぼちゃの煮物があれば、それだけでビタミンやミネラルをしっかり補給できます。
特に乾物は優秀で、切り干し大根やひじきはカルシウムや鉄分などのミネラルが凝縮されています。「地味で人気がない」なんて言われがちですが、コーンや枝豆を混ぜてカラフルにしたり、ベーコンと一緒に煮たりすることで、子供でも食べやすい副菜になりますよ。
余った煮物を美味しく変えるリメイクレシピ
煮物をたくさん作りすぎて余ってしまった時、翌日も同じものを出すのは気が引けますよね。そんな時は、全く別の料理にリメイクしてしまいましょう!
| リメイク料理 | 作り方とポイント |
|---|---|
| 煮物入り卵焼き | 煮物を刻んで卵液に混ぜて焼くだけ。出汁の味が染みているので調味料いらずです。 |
| 和風カレー | 煮物をそのまま、あるいはカットしてカレールーを溶かすだけ。お蕎麦屋さんのような深い味わいになります。 |
| 煮物コロッケ | 肉じゃがや里芋の煮物を潰して衣をつけて揚げます。ソース不要で濃厚な美味しさ! |
私のお気に入りは「和風カレー」です。根菜がたっぷり入った煮物をベースにすると、長時間煮込んだようなコクが一瞬で出せるんです。これぞ家事効率化の真骨頂ですね。
お弁当のおかずに適した煮物の保存テクニック
煮物はお弁当の定番ですが、汁漏れや傷みが心配なメニューでもあります。お弁当に入れる際は、以下の点に気をつけてみてください。
まず水分対策として、かつお節やすり胡麻をまぶすのがおすすめです。これらが余分な水分を吸ってくれるので汁漏れを防げますし、旨味もアップします。
夏場などは特に注意が必要です。作り置きの煮物をお弁当に入れる場合は、いったん再加熱してからしっかりと冷まして詰めることが推奨されています。また、梅干しやお酢を使った「さっぱり煮」は酸味のおかげで比較的傷みにくいとされているため、お弁当向きですよ。
季節の食材を取り入れた一汁三菜の組み立て
煮物は季節ごとの体調管理にも役立ちます。旬の食材には、その時期の身体が必要としている栄養が詰まっていると言われているからです。
春ならタケノコやフキの煮物で冬の間に溜め込んだものをデトックス。夏はナスや冬瓜を冷やした「冷製煮物」で火照った体をクールダウン。秋は根菜たっぷりの煮物、冬は生姜を効かせた濃厚な煮込みで身体を温める。
このように、季節に合わせて煮物の内容や温度を変えるだけで、一年中飽きずに美味しく健康管理ができますね。
煮物の献立と組み合わせの総まとめ
煮物の献立組み合わせについて色々とお話ししてきましたが、最後に大切なポイントをまとめますね。
基本は「主菜と副菜のバランス」です。煮物がこってりなら他はさっぱり、煮物が柔らかいなら他はシャキシャキといった具合に、味や食感のコントラストを意識してみてください。
そして、茶色くなりがちな食卓には、赤・緑・黄の彩りをプラスすることを忘れずに。リメイクや作り置きも活用しながら、無理なく美味しい煮物ライフを楽しんでいきましょう。

