スーパーのカレールー売り場に行くと、棚一面に並ぶ種類の多さに圧倒されて、結局いつもと同じものを選んでしまっていませんか。「カレールー 組み合わせ ランキング」や「美味しい配合」について調べているあなたは、きっと今の味に少し物足りなさを感じていたり、「もっと本格的なスパイスの香りを家で楽しみたい」という探究心をお持ちなのだと思います。
実は、プロの料理人やカレーマニアの間では、単一のルーを使うだけでなく、メーカーの異なるルーを混ぜる「ブレンド」がよく使われるテクニックになっています。メーカーごとに異なるスパイスの配合や特徴を掛け合わせることで、家庭のカレーが驚くほど奥深い味に進化するのです。
この記事では、辛いのが好きな方や小さなお子様がいるご家庭など、様々なシチュエーションに合わせた「失敗しない黄金比」を徹底解説します。今日からあなたの家のカレーが、行列のできる専門店の味に変わりますよ。
- 辛口派も納得するメーカーの垣根を超えた最強の組み合わせ
- テレビ番組でも話題になった3種類のルーを使うプロ直伝の配合
- 意外な食材でコクを出す隠し味の正しい使い方と投入タイミング
- お蕎麦屋さんの味を再現する出汁とルーの黄金比率
カレールー組み合わせランキング上位の黄金比

カレーの世界において、複数のルーを混ぜることは「味の設計図」を描くようなものです。ハウス食品は「全体のバランスと甘み」、S&Bは「スパイスの香りとキレ」、江崎グリコは「深みのあるコク」といった具合に、こうしたイメージで語られることが多く、それぞれに明確な強みがあります。
これらをパズルのように組み合わせることで、お互いの足りない部分を補い合い、単体では出せない立体的な味わいを作り出すことができます。ここでは、実際に試して本当に美味しかった組み合わせを、ランキング上位の実力派としてご紹介します。
最強の2種類ブレンドと美味しい配合
ブレンドの基本にして王道なのが、2種類のルーを混ぜるテクニックです。しかし、闇雲に混ぜれば良いというわけではありません。ここで最も重要なルールは、「似たような味のルーを混ぜない」ということです。
例えば、同じメーカーの同じ価格帯のものを混ぜても、味の方向性が似ているため、大きな化学反応は起きにくいのです。目指すべきは、異なるキャラクターの融合です。
成功の法則:コク×香り
おすすめなのは、「コク重視のルー」×「香り重視のルー」という組み合わせです。濃厚なコクがあるタイプを土台にし、そこにスパイスの香りが華やかなタイプを重ねることで、味に深みと広がりが同時に生まれます。
配合比率は、まずは1対1から始めるのが鉄則です。そこから「もう少しスパイシーにしたいなら香り系を増やす」「まろやかにしたいならコク系を増やす」といった微調整を行うのが、失敗しないコツですね。
辛口派におすすめのメーカー混ぜる技
辛いカレーが好きな方にとって、ただ唐辛子やカイエンペッパーを足すだけでは、舌が痛いだけの「平坦な辛さ」になりがちです。大人の辛口派が求めているのは、スパイスの複雑な香りと旨味が伴った「立体的で美味しい辛さ」ではないでしょうか。
そこでおすすめしたい最強のタッグが、ハウス食品の「ジャワカレー(辛口)」とS&Bの「ゴールデンカレー(辛口)」の組み合わせです。
| 製品名 | 特徴 | 役割 |
|---|---|---|
| ジャワカレー | ローストオニオンの深いコクと、爽快でキレのある辛さ | 味のベース(土台)とパンチのある刺激 |
| ゴールデンカレー | 35種のスパイスとハーブが生み出す華やかな香り | 鼻に抜ける香りの広がりと複雑な余韻 |
ジャワカレーのガツンとくるキレのある辛さに、ゴールデンカレーの多層的なスパイスの香りが加わることで、まるでインド料理店のような奥行きが出ます。メーカーの垣根を超えることで、使用されているスパイスの種類が分散され、家庭用ルーとは思えない複雑なピークを持つフレーバープロファイルが完成するのです。
マツコも推奨する3種類のブレンド
以前、テレビ番組「マツコの知らない世界」などでも、複数のカレールーをブレンドして楽しむ方法が紹介され話題になりました。そうした“ブレンド”の考え方を応用したテクニックの一つが、3種類のルーを混ぜるという少し高度な方法です。「2つでも十分では?」と思うかもしれませんが、3つ混ぜることで味覚の「死角」を減らし、よりバランスの取れた味に仕上げやすくなります。
このブレンドにおける絶対的な軸(アンカー)となるのが、S&Bの「ディナーカレー」です。フォン・ド・ボー(仔牛と野菜の出汁)の重厚な旨味があるので、これをベースとして1箱使用します。
追加する2つのピース
ベースが決まったら、そこに異なる特徴を持つ以下の2つを半箱ずつ投入します。
- ハウス「バーモントカレー」:リンゴとハチミツによるフルーティーな「酸味」と「甘味」を補完。
- ハウス「こくまろカレー」:あめ色玉ねぎと生クリームによる「まろやかさ」と「つなぎ」の役割。
こうすることで、欧風カレーの「旨味」、フルーツの「酸味・甘味」、乳製品の「まろやかさ」という、カレーを構成する全ての要素が手に入ります。週末にちょっと気合を入れて、ご馳走カレーを作りたい時に特におすすめの配合です。なお、ここで紹介している具体的な配合は、番組で紹介されたレシピをそのまま再現したものではなく、筆者が自宅で試してバランスがよかったと感じた一例です。
子供と食べる甘口と中辛の組み合わせ
小さなお子さんがいるご家庭では、どうしても子供の味覚に合わせて「甘口」一択になりがちですよね。でも、大人はやっぱりスパイスの効いたカレーが食べたい。そんな悩みを解決するのが、「味のマスキング効果」を狙ったブレンドです。
おすすめの配合は、「バーモントカレー(甘口)」×「ジャワカレー(中辛または辛口)」です。
一見すると喧嘩しそうな組み合わせですが、バーモントカレーの持つ強烈な甘みが、ジャワカレーの鋭い辛味の角を包み込んで(マスクして)くれるんです。しかし、ジャワカレー特有のカルダモンやコリアンダーといったスパイスの香りはちゃんと残ります。
結果として、「口当たりは優しいけれど、鼻に抜ける香りは本格的」という、単一の「中辛」製品では出せない絶妙なバランスが成立します。これなら、鍋を分けずに家族みんなで満足できるカレーが作れますよ。
高級ルウを混ぜてグレードアップ
スーパーのカレールー売り場には、1箱300円〜500円ほどする「高級ルー」も売られていますよね。「横濱舶来亭」や「ザ・カリー」などが有名です。これらは素材にこだわって作られており非常に美味しいのですが、毎回使うには少しコストが気になります。
そこでおすすめなのが、これらを「スパイス調味料」として活用する方法です。
コストを抑える賢い使い方
普段使いの安価なルーをベース(7〜8割)にして、高級ルーを全体の2〜3割だけ混ぜてみてください。
特にエバラ食品の「横濱舶来亭」のようなフレークタイプは、直火釜での焙煎による香ばしさが印象的です。いつものルーにこれを少し足すだけで、洋食屋さんが何日も煮込んだような「焦がし」の風味が加わって、一気にプロっぽい味にグレードアップします。
カレールー組み合わせランキングの応用テク

ルーの組み合わせが決まったら、次は「隠し味」や「調理プロセス」でさらに差をつけましょう。ここでは、検索でもよく調べられている人気の隠し味の科学的な効果や、カレー派生料理への応用テクニックについて深掘りしていきます。
隠し味でコクを出す人気の食材
「一晩寝かせたあの味」をすぐに再現したい時に役立つのが隠し味です。ランキングサイトなどでもよく見かける人気の食材には、それぞれ味覚を整えるための科学的な理由があるとされています。
- チョコレート:カカオマスの苦味とカカオバターのコクを追加し、味に厚みを出します。
- コーヒー:焙煎による香ばしさと深みのある苦味が、スパイスの輪郭を際立たせます。
- ニンニク:アリシンなどの成分がパンチのある旨味を加え、食欲を増進させます。
- チーズ:グルタミン酸などの旨味成分と乳脂肪分が、濃厚なまろやかさを生みます。
特に日本のカレールーは、ご飯に合うように「甘み」と「旨味」が強く設計されています。そのため、あえて「苦味」や「酸味」を少し足すことで、五味のバランスが整い、味が引き締まって大人っぽい味わいになるのです。
コーヒーやチョコを入れる量とタイミング
隠し味は魔法のアイテムですが、入れすぎるとカレーの味を完全に壊してしまう「諸刃の剣」でもあります。量とタイミングが命ですので、失敗しないためのポイントをしっかり押さえておきましょう。
チョコレートの投入ルール
まずチョコレートですが、必ずカカオ分が高い「ビターチョコレート」を選んでください。ミルクチョコだと砂糖が多すぎて、味がぼやけてしまいます。入れるタイミングは、ルーを溶かす時です。4人分に対してひとかけら(約5g〜10g)入れるだけで十分なコクが出ます。
コーヒーの投入ルール
次にコーヒーですが、インスタントコーヒーなら煮込み段階で小さじ1程度を入れます。ドリップコーヒーの場合は、火を止める直前の仕上げにひと回し入れるのがコツです。加熱しすぎると酸味が突出してしまうので、最後に「香り付け(フレーバー)」として使うのがポイントですね。
注意点
どちらも入れすぎると苦味が際立ってしまい、リカバリーが難しくなります。必ず味見をしながら少しずつ足していきましょう。
カレー蕎麦の出汁とルウの比率
余ったカレーやルーを使って「カレー蕎麦」や「カレーうどん」を作る方も多いと思いますが、お蕎麦屋さんみたいな「とろっ」としたつゆにするのは意外と難しいですよね。実はここにも、プロが実践する黄金比が存在します。
基本の比率は「カレールー1かけ:めんつゆ大さじ2:水300ml」です。
この「1:2:3」のバランスを守ることで、麺に絡むちょうどいい粘度と、飲み干せるスープの濃さが両立します。さらに、ここでもう一つ決定的な要素があります。それは「鰹節(または魚粉)」の追加です。
カレールーは動物性の脂とスパイスの塊ですが、ここに魚介由来の強力な旨味成分「イノシン酸」と薫製香が加わることで、一気に和風の旨味が爆発します。これこそが、家庭のカレーうどんとは一線を画す「蕎麦屋のカレー」の正体なのです。
余ったルウの保存方法と賞味期限
ブレンドを楽しむために複数のルーを開封すると、どうしても使いかけのルーが余ってしまいますよね。箱のフタを閉じただけで、常温のままコンロの近くなどに放置していませんか?実はそれ、味が劇的に落ちる原因になります。
カレールーは油脂分が非常に多いため、開封して空気に触れるとどんどん酸化が進み、不快な「油臭さ」が出てしまいます。また、高温になる場所では油脂が溶け出して品質が劣化します。
正しい保存方法
開封後はルーを密閉容器(タッパーやジップロック)に移し替えて、必ず冷蔵庫で保存しましょう。
ハウス食品の公式サイトによると、開封後に密閉して冷蔵保存した場合の保存期間の目安は約3ヶ月とされています。冷蔵庫に入れておけば風味の劣化を遅らせることができますが、それでも「開封済み」であることに変わりはありません。なるべく早めに使い切るのが、一番美味しく食べる秘訣です。
(出典:ハウス食品『Q.ルウカレーやシチュー・ハヤシは、開封後どのくらいもちますか。』)
美味しい作り方と水の量のバランス
最後に、ブレンドカレーを作る際の水の量についてです。特に新玉ねぎやキノコ類など、水分が多い野菜をたっぷり使う場合、箱に書いてある通りの水加減で作ると、味が薄くなってしまうことがよくあります。
複数のルーを使うと、製品ごとに塩分濃度やとろみの付き方が異なるため、バランスを取るのが難しくなります。そのため、最初は規定量よりも「100mlほど少なめの水」で作ることを強くおすすめします。
味が濃ければ後からお湯を足して調整するのは簡単ですが、薄いカレーを煮詰めて濃くするには時間がかかり、その間に具材が煮崩れて食感が損なわれてしまいます。「水は少なめスタート」が、ブレンドカレーを成功させる鉄則です。
カレールー組み合わせランキングの総括
カレールー 組み合わせ ランキングについて、おすすめの配合やプロ並みの味を出すためのテクニックをご紹介してきました。市販のカレールーは、それ単体でも十分に美味しく作られていますが、自由に組み合わせることで無限の可能性が広がり、「我が家だけの味」を作り出せるのが本当に面白いところです。
まずは「ジャワ」と「ゴールデン」のような王道の組み合わせから始めて、慣れてきたら隠し味を足したり、3種混合に挑戦したりして、ぜひ自分だけの黄金比を見つけてみてください。「今日のカレー、なんかいつもより美味しくない?」「お店みたい!」と家族に言われたら、心の中でガッツポーズしちゃいましょう!
※本記事で紹介した配合比率や味わいは筆者の実体験に基づく目安です。好みに合わせて調整してください。また、アレルギー等には十分ご注意の上、各製品の表示をご確認ください。

