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国際信号旗の組み合わせ一覧!意味や覚え方を分かりやすく解説

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国際信号旗の組み合わせ一覧!意味や覚え方を分かりやすく解説
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海で見かけるカラフルな旗、あれって実は世界共通の言葉なんですよね。「国際信号旗 組み合わせ一覧」と検索してこの記事にたどり着いた方は、きっと船舶免許の試験対策中だったり、港で見かけた旗の意味が気になったりしているのではないでしょうか。

一見難しそうな旗のデザインも、効率的な覚え方やモールス信号との関係を知ると急に面白くなってきます。

この記事では、基本の1字信号から実用的な2字信号、さらには緊急時の医療コードや正しい掲揚ルールまで、詳しくまとめてみました。

この記事のポイント
  • AからZまでの1字信号の意味と視覚的な特徴
  • 語呂合わせやモールス信号を活用した効率的な暗記法
  • 遭難や医療支援など緊急時に使われる重要な2字・3字信号
  • 船同士の挨拶やマナーを含む国際儀礼と掲揚ルール
目次

基礎的な国際信号旗の組み合わせ一覧

このセクションでは、船舶職員や小型船舶操縦士として必ず知っておきたい、最も基本的かつ重要な「1字信号」と、その背景にある知識を深掘りします。

まずは、国際信号旗の基本となるアルファベット26文字(1字信号)から見ていきましょう。これらは単なる文字の代わりというだけでなく、たった1枚掲げるだけで、周囲の船に対して法的な義務を意識させたり、緊急の警告を発したりすることができる、いわば海の上の「共通言語」です。

アルファベット1字信号の意味と役割

アルファベット1字信号の意味と役割
まっさらログ:イメージ

1字信号は、緊急性が高いメッセージや、頻繁に使われる定型文を1枚の旗で表します。特に船舶免許の試験でも頻出のエリアですし、実務でも即座に意味を理解していないと事故につながる可能性があります。

主要なものをリストアップしてみます。特に赤字で示した部分は、人命や安全に関わるため非常に重要です。試験対策としても、まずはここから押さえましょう。

文字・旗色主な意味(メッセージ)実務的な運用のポイント
A (Alfa)

白・青(燕尾)
私は潜水夫を下ろしている。微速で十分避けよ。港湾工事やレジャーダイビングの支援船で頻繁に見かけます。この旗を見たら、付近での高速航行は厳禁です。スクリューの回転や引き波が、水中のダイバーにとって致命的な危険となるため、大きく迂回するか最微速で通過することが国際的なルールに沿った対応です。
B (Bravo)

赤(燕尾)
私は危険物を荷役中、または運送中である。真っ赤な旗は「警告」の象徴です。原油タンカー、LNG船、弾薬輸送艦などが掲げます。特に荷役中(積み下ろし中)は、静電気火花一つが大事故に繋がるため、周囲の船は不用意に接近してはいけません。
D (Delta)

黄・青・黄
私は操縦にかかっている、避けよ。エンジントラブルなどの「故障」とは異なり、測量や掃海、特殊な作業などのために自由に操船しにくい状態を示します。国際信号書では「操縦困難」を意味し、他船に対して優先的な注意を求める信号と言えます。
H (Hotel)

白・赤
水先人が乗船している。入港時や狭い水道を通る際、その海域のスペシャリストである水先人(パイロット)が乗っていることを示します。この旗が揚がっている船は、通常とは異なる操船パターンをとる可能性があるため注意が必要です。
O (Oscar)

赤・黄
人が海に落ちた。通称「マン・オーバーボード」。この旗が揚がった瞬間、その海域は緊急事態となります。付近を航行する全船舶は、見張りを強化し、無線や他の手段も活用して必要に応じて救助活動に協力しなければなりません。
Q (Quebec)

本船は健康である、検疫交通許可を求む。外国から帰ってきた船が最初に揚げる旗です。歴史的には「検疫(Quarantine)」を意味し、かつては病人がいる船を隔離するための色でしたが、現在の国際信号では「病人はいないので入港許可(フリー・プラクティーク)をください」という意味で使われます。
U (Uniform)

赤・白
貴船は危険に向かっている。相手の船が浅瀬や暗礁に向かっている時、あるいは自船に向かって突っ込んできている時に警告として掲げます。「あなた(You)は危ない!」と覚えておくと良い、親切かつ重要な信号です。
W (Whiskey)

青・白・赤
私は医療の援助を求む。船内に急病人や怪我人が発生し、外部の助けが必要な場合に使われます。ヘリによる医療搬送や、医師がいる船とのランデブーの調整前段階として掲揚されることもあります。

【危険】「J旗」の意味を甘く見てはいけません

J (Juliet) の旗は青と白のストライプで涼しげなデザインに見えますが、その意味は「私は火災中で、かつ危険物を積んでいる」というものです。これは、B旗(危険物搭載)の状態で火災が発生していることを意味し、爆発の危険性が極めて高い状態です。見かけたら、風上へ逃げるなどして即座に距離を取ってください。

語呂合わせを使った効率的な覚え方

国際信号旗は26枚すべて異なる色と模様をしていますが、丸暗記するのはなかなか大変です。私も最初は苦戦しましたが、視覚的な特徴と言葉をリンクさせる「語呂合わせ」や「イメージ連想」を使うと、記憶に定着しやすくなります。

ここでは、特に覚えやすい代表的なものをいくつか紹介します。

  • A (Alfa): 旗の右側が三角形に切れ込んでいます(燕尾形)。これを「ダイバーの足ヒレ(フィン)」に見立てると、「ダイバー=A旗」と一発で覚えられます。
  • B (Bravo): 全面が真っ赤な旗です。赤は危険色なので「Blood(血)」「Bomb(爆発)」といった危険な単語と結びつけましょう。「爆弾(B)で真っ赤」と覚えるのもありです。
  • K (Kilo): 黄色と青が縦に並んでいます。有名な語呂合わせで「Kousin(交信)したい」「Kaiwa(会話)したい」というものがあります。「K」の音と意味(通信したい)をリンクさせましょう。
  • N (November): 青と白の市松模様(チェッカーボード)です。「No」のNであり、直感的に「否定」のイメージと結び付けられるデザインです。
  • U (Uniform): 紅白の四角形が交互に並んでいます。「U (You) are in danger(あなたは危険の中にいる)」と英文で覚えるのがコツです。紅白の警告色が相手に向かっているイメージを持ちましょう。
  • Z (Zulu): アルファベットの最後です。意味は「引き船(タグボート)を求む」。自力ではもう動けない、「最後の手段(Z)」としてタグボートを呼ぶ、と覚えると忘れません。

モールス信号や音との統合的な理解

モールス信号や音との統合的な理解
まっさらログ:イメージ

実は、国際信号旗は視覚情報(旗)だけでなく、音(モールス信号)とも密接に関わっています。旗が見えにくい夜間や濃霧の中では、汽笛や発光信号を使って同じ意味を伝える必要があるからです。これらをセットで覚えることは、実務においても非常に合理的です。

例えば、「E (Echo)」の旗は「私は針路を右に変えている」という意味ですが、これはモールス信号の「・(ト)」に対応しています。実際の海上交通ルール(国際海上衝突予防法の霧中信号など)でも、右に変針する際は汽笛を「短音1回」鳴らすことが決まっており、完全にリンクしているのです。

旗と音の完全対応例

この3つはセットで覚えておくと、試験でも実務でも役立ちます。

  • E (Echo) = 右へ変針

    モールス:「・」(ト)

    汽笛:短音1回
  • I (India) = 左へ変針

    モールス:「・・」(ト・ト)

    汽笛:短音2回
  • S (Sierra) = 後進(バック)中

    モールス:「・・・」(ト・ト・ト)

    汽笛:短音3回

このように、旗の意味、アルファベット、そして音のリズムを統合して理解することで、「Eの旗が見えた!ということは右に曲がってくるな!」と、瞬時に状況判断ができるようになります。

視認性を高める旗の色彩と形状

視認性を高める旗の色彩と形状
まっさらログ:イメージ

国際信号旗のデザインは、単なる模様ではありません。海の上という特殊な環境で、遠くからでも見間違えないための工夫が詰まっています。

まず、使用されている色は、赤、白、青、黄、黒の5色のみに限定されています。これらは、海面の「青」や空の「白・グレー」といった背景色に対して、最もコントラストが強く出る色の組み合わせだからです。

さらに、形状にも意味があります。

  • 燕尾形(えんびけい): A旗とB旗だけは、旗の端が三角形に切れ込んでいます。これは、アルファベット順の最初の2枚を特別扱いし、他の旗と混同しないようにするためです。特にB旗(危険物)は重要度が高いため、形でも区別できるようになっています。
  • ペナント(細長い三角形): これは数字旗(0〜9)に使われます。文字旗(長方形)と形が全く違うため、遠目でも「あ、あれは文字ではなく数字を伝えているな」と識別できます。
  • 代表旗(三角形): 同じ文字を繰り返す時などに使われる特殊な旗で、これも独自の形状をしています。

このように、色だけでなく「形」のシルエットでも情報を伝達できるように設計されているのが、国際信号旗の優れた点ですね。

正しい掲揚ルールと国際儀礼

旗を掲げる場所にも、実は厳格な「格(ランク)」やプロトコール(国際儀礼)が存在することをご存知でしょうか。これを適当に行うと、相手国に対して非礼になったり、無知をさらけ出したりすることになります。

右舷優位の原則

船のマストや信号ヤードにおいて、右舷(スターボードサイド)が上位、左舷(ポートサイド)が下位とされる慣行があります。これは、かつての船が右舷に舵(ステアリングボード)を持っていた歴史的背景などが関係していると言われます。

マナーの鉄則

相手国の港に入港する際に掲げる「敬意を表す国旗(コーテシーフラッグ)」や、重要な信号旗は、必ず名誉ある右舷に掲揚します。自社の社旗や遊びの旗などは、下位である左舷に掲げるのがマナーです。

満船飾(まんせんしょく)の美学

祝日や進水式などで、船の船首からマストを通って船尾まで、ずらりと旗を飾ることを「満船飾」と言います。これは一見ランダムに見えますが、実は一定のルールに基づいています。

もし適当に並べて「D・A・N・G・E・R」のような意味のある単語になってしまったら大変ですよね。そのため、文字旗と数字旗を交互に配置し、色彩のバランスを整えつつ、意味をなさないように工夫された標準的な配列が、多くの国の海軍や商船で共通して用いられています。

公式情報での確認

こうした国際的なルールや詳細な信号の意味については、公的な情報源で確認することも大切です。例えば、海上保安庁のウェブサイトでは、海上の交通ルールや航行上の注意事項に関する情報が公開されています。

(出典:海上保安庁「海上交通ルール」

応用的な国際信号旗の組み合わせ一覧

1枚の旗でも意味は通じますが、2枚、3枚と組み合わせることで、より具体的で文脈に即した高度な通信が可能になります。ここでは、実務や試験でよく登場する重要な組み合わせを厳選して紹介します。

航海安全に関わる重要な2字信号

航海安全に関わる重要な2字信号
まっさらログ:イメージ

2字信号は、国際信号書の「一般セクション」に分類され、主に航海の安全や交通整理に使われます。船乗り同士の挨拶から、航行ルールの警告まで様々です。

組み合わせ意味詳細解説
UWご安航を祈る

(I wish you a pleasant voyage)
海ですれ違う際や、出港する船に対して送る最もポピュラーな挨拶です。「Bon Voyage(良い旅を)」の意味ですね。これを見たら、無視せずに「UW1(有難う、貴船もご安航を)」で返すのが粋なマナーとされています。
RY微速で航行されたい。工事現場、潜水作業区域、あるいは事故現場の近くなど、引き波を立ててほしくないデリケートな場所を通る船に対して要請されます。国際信号書の意味は「低速でかつ十分に距離をとって航行してほしい」というニュアンスを含みます。
YGあなたは通航分離帯の規則に従っていないようだ。海峡などの航路(通航分離帯)で、逆走したりコースを逸脱したりしている船に対する警告です。「ルール違反ですよ!」と教えてあげる信号です。
TI本船は錨泊(びょうはく)中である。アンカーを下ろして停まっていることを示します。動いているように見える場合でも、この信号があれば錨泊中と判断できるため、他船側でしっかり避ける必要があります。

遭難や緊急事態を知らせる信号

この組み合わせだけは、決して実地で使う機会がないことを祈りたいものですが、万が一の時に命を守る知識として知っておく義務があります。

NC(November + Charlie)

意味:「私は遭難している。直ちに援助を求む。」

これは国際的に最も認知された視覚的な遭難信号のひとつです。N(No・否定)とC(Yes・肯定)という、論理的に矛盾する旗を同時に揚げることで、「日常の論理が崩壊した異常事態」を象徴しているとも言われます。無線機が水没して使えない状況でも、この旗さえ揚がっていれば、周囲の船は遭難だと認識してくれます。

DX(Delta + X-ray)

意味:「私は沈没しようとしている。」

NCよりも状況が具体的で、浸水が止まらず浮力を維持できない危機的な状態を伝えます。「沈没寸前」というメッセージです。これを見た周囲の船は、直ちに退船者の救助準備を最優先に行う必要があります。

医療支援を要請する3字信号コード

医療支援を要請する3字信号コード
まっさらログ:イメージ

大型客船などを除き、一般的な貨物船や漁船には医師が乗っていません。しかし、洋上で大怪我や急病が発生することはあります。そんな時に使われるのが、M(Mike)で始まる3字信号、通称「医療コード (Medical Signal Code)」です。

このシステムが優れているのは、「言語の壁を超えて症状を正確に伝えられる」点です。

  • MAA: 「私は至急、医学的助言を求める。」(まず最初に打つ信号)
  • MFE: 「出血が激しい。」(出血が重度であることを示す)
  • MCR: 「患者は意識がある。」
  • MAB: 「指示された位置で会合したい。」(ドクターヘリや医師のいる船とのランデブーを要請)

このように、たとえ相手が何語を話す船であっても、信号旗や無線で「MFE」と伝えれば、相手の信号書には自国語で「出血多量」と書かれているため、誤解なく状況が伝わるのです。

小型船舶免許試験に出る重要信号

小型船舶免許試験に出る重要信号
まっさらログ:イメージ

もしあなたが小型船舶操縦士の免許取得を目指しているなら、特定のアルファベットが数字と組み合わさった時に、意味ではなく「単位」や「識別子」を表すプレフィックス(接頭辞)に変化することを覚えておく必要があります。ここは試験の引っかけ問題の定番です。

数字と組み合わせた時の変化

以下の文字は、数字の前につくことで意味が変わります。

  • C + 数字 = 針路 (Course)

    例:C180 =「針路180度」(C単体だと「肯定」の意味)
  • L + 数字 = 緯度 (Latitude)

    例:L3530 =「北緯35度30分」(L単体だと「停船せよ」の意味)
  • G + 数字 = 経度 (Longitude)

    例:G13945 =「東経139度45分」(G単体だと「水先人求む」の意味)
  • D + 数字 = 日付 (Date)

    例:D15 =「15日」
  • T + 数字 = 時間 (Time)

    例:T1200 =「12時00分」
  • A + 数字 = 方位 (Azimuth)

    例:A090 =「方位90度」

例えば、「L」の旗だけなら「止まれ!」という命令ですが、後ろに数字が続くとただの「緯度」の説明になります。この文脈の切り替えを理解しているかどうかが、試験では問われます。

国際信号旗の組み合わせ一覧のまとめ

ここまで、国際信号旗の組み合わせや意味について、基礎から応用、そして緊急時のコードまで詳しく見てきました。GPSやデジタル通信が発達した現代でも、電源不要で、言葉の通じない相手とも意思疎通ができるアナログな「旗」のシステムは、海の安全を守る最後の砦として、今もなお現役で活躍しています。

今回の内容を簡単に振り返ります。

  • 1字信号は緊急性が高く、試験でも頻出(特にA, B, O, Q, Uは必須)。
  • 2字信号の「UW(ご安航を)」は海の挨拶、「NC(遭難)」は命綱として覚えておく。
  • 3字信号の医療コードは、Mから始まり言語の壁を超えるシステムである。
  • 掲揚位置には「右舷が上位」という国際的なマナーがある。

もし海に行く機会があったら、ぜひ港に停まっている船や、沖を行く船のマストを見上げてみてください。「あ、あの船は今、危険物を積んでいるんだな」「パイロットが乗っているんだな」と分かるだけで、ただの風景だった海の世界が、ぐっと意味を持った身近なものに感じられるはずですよ。

免責事項

本記事は一般的な海事情報および国際信号書に基づき解説していますが、実際の航海や試験においては、必ず最新の公式テキストや水路図誌を確認してください。また、人命に関わる判断は海上保安庁や専門機関の指示に従ってください。

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この記事を書いた人

はじめまして、管理人の「零(れい)」です。 このブログ「まっさらログ」にお越しいただき、本当にありがとうございます。
ここは、日常で感じたことや新しく始めたことを、「まっさら」な視点で記録していく雑記ブログです。

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