キッチンABCは孤独のグルメに登場？オリエンタルライスの聖地巡礼

「あれ？あの黒い焼肉定食、井之頭五郎さんが美味しそうに食べていた店ってここじゃなかったっけ？」

キッチンABCと孤独のグルメの関係が気になって検索している方も多いのではないでしょうか。実は私自身、あの名作ドラマに登場したお店だと完全に思い込んで、意気揚々とオリエンタルライスや黒カレーを食べに行った経験があります。「ここで五郎さんも舌鼓を打ったのか…」なんて勝手に感慨に浸っていたんですが、後で調べてみてびっくり。実は少し記憶が交錯していたんです。

実際は、メニューや雰囲気が非常によく似ている「洋庖丁」という別のお店との混同や、寺門ジモンさんや『アド街ック天国』で紹介された情報が頭の中でミックスされていたんですよね。でも、結果として私はキッチンABCの大ファンになりました。

今回は、そんな私の勘違いから始まった巡礼体験をもとに、原作への登場の真相や、女性一人でも入りやすいのかといったリアルな店内の様子、そして名物「豚からし焼肉」の魅力まで、実際に足を運んで調べた情報を余すところなくシェアします。

キッチンABCは孤独のグルメに登場した？真相と評判

検索窓に「キッチンABC」と打ち込むと、サジェストに必ずと言っていいほど出てくる「孤独のグルメ」の文字。なぜこれほどまでに、多くの人が作品とこの店を結びつけてしまうのでしょうか。まずはその真相と、実際の評判について深掘りしていきましょう。

洋庖丁と混同される理由とメニューの違い

結論から申し上げますと、キッチンABC自体は漫画やドラマの『孤独のグルメ』本編（井之頭五郎が食事をするシーン）には登場していません。しかし、「登場したはずだ」という噂が絶えないのには、明確な理由があります。

その最大の要因は、同じく池袋エリアや板橋区大山にある「洋庖丁（ランチハウス 洋庖丁）」の存在です。洋庖丁 大山店は、漫画『孤独のグルメ』原作第1巻に収録された第12話「東京都板橋区大山町のハンバーグ・ランチ」のモデルとなった実在の洋食店として知られており、ファンの間では聖地とされる場所の一つです。一方で、ドラマ版では「原作に出てくるお店は番組では取り上げない」という方針が公式に示されているため、店名そのものがドラマ本編に登場するわけではありませんが、作品世界を感じられる店として語られています。そして何より、この両店には「兄弟」と言っても過言ではないほど似ているメニューが存在するのです。

メニューの類似性を徹底比較

私たちが記憶の中で混同してしまう原因を、わかりやすく整理してみました。

比較項目	キッチンABC	洋庖丁
孤独のグルメ登場	なし（精神的聖地）	あり（原作のモデル店として）
代表的な類似メニュー	豚からし焼肉	からし焼肉
味の特徴	黒胡椒たっぷり＋塩麹の旨味	黒胡椒たっぷり＋塩味
付け合わせ	カレー風味のパスタ等	カレー風味のパスタ等

ここが混同の決定打！

どちらのお店も、看板メニューの一つが「黒胡椒（ブラックペッパー）をガツンと効かせた塩焼きスタイルの豚肉料理」なんです。お皿の盛り付け方や、付け合わせにカレー風味のスパゲッティが乗っている点までそっくり。

私たちが「あの黒胡椒の効いた焼肉定食」という記憶の断片だけで検索すると、どうしてもこの二つの店が交錯してしまいます。しかし、これは決してネガティブなことではありません。キッチンABCは、作品に直接登場していなくとも、あの「街の洋食屋でガッツリ食べる」という世界観（インテント）を完璧に満たしてくれる「精神的な聖地」であると言えるからです。むしろ、両方を食べ比べてみるのが、通な楽しみ方かもしれませんね。

寺門ジモンも絶賛する肉料理の信頼性

『孤独のグルメ』ファンである私たちは、単に「量が多い店」を探しているわけではありません。「本当に美味しい店」「作り手の魂がこもった店」を求めていますよね。

その点において、キッチンABCのクオリティを強力に保証しているのが、芸能界屈指の食通であり、特に肉料理には並々ならぬこだわりを持つ寺門ジモンさんです。

寺門さんはご自身のYouTubeチャンネル『ウザちゃんねる』やテレビ番組の取材などで、西池袋店をたびたび訪れています。そこで「オリエンタルライス」や「黒カレー」を実際に味わい、ボリュームと味のバランスを高く評価している様子がうかがえます。

寺門さんは、肉の焼き加減やタレの味に一切の妥協を許さない方です。そんな彼が「わざわざ食べに来る価値がある」と認めたということは、B級グルメという枠を超えて、料理としての完成度が非常に高いことの証明です

五郎さんが選ぶような「孤高の飯」を探している私たちにとって、このお墨付きは非常に強力な判断材料になりますね。

アド街ック天国も注目する池袋の洋食店

メディア露出という点では、テレビ東京の長寿番組『出没！アド街ック天国』も見逃せません。2023年8月放送の「美味しい池袋」特集では、「キンカ堂食堂の系譜」というテーマの中でキッチンABCが取り上げられ、そのルーツや名物メニューが紹介されました。

池袋という街は、実は洋食やハンバーグの激戦区です。多くの有名店がしのぎを削る中で、こうした全国ネットの番組で老舗として取り上げられるということは、単なる一過性のブームではなく、地域に根付いた歴史と揺るぎない実力があることの証明と言えるでしょう。

番組内では、昭和44年創業の洋食店としての歴史や、「キンカ堂食堂」の流れをくむ街の洋食屋としての姿が語られており、地元の人々にとっての「街の台所」としての役割が印象的でした。これこそまさに私たちが求めている「ドラマのようなお店」の姿ではないでしょうか。（出典：テレビ東京『出没！アド街ック天国』公式サイト「キンカ堂食堂の系譜」）

女性一人でも入りやすい店内の雰囲気

「美味しいのはわかったけど、あのようなガッツリ系の洋食店に、女性一人で入るのは勇気がいる…」

そう感じて、二の足を踏んでいる方もいるかもしれません。確かに、かつてはサラリーマンや食べ盛りの学生たちの園（その）というイメージが強かったのも事実です。

しかし、私が実際に訪れて感じたのは、現在のキッチンABCは女性の「ソロ活」にも非常に適した環境であるということです。

安心できる3つの理由

• カウンター席の充実：
  
  店内には、一人で食事に集中できるカウンター席が多く用意されています。相席になる場合でも、アクリル板などの仕切りが設置されていることが多く、隣の人の視線を気にせず自分の世界に没頭できます。
• 清潔感とテキパキとした接客：
  
  ベテランのスタッフさんや外国人スタッフさんがキビキビと働いており、店内は活気がありつつも清潔感が保たれています。油でギトギトしているような不快感はありません。
• バランスの良いメニュー構成：
  
  ガッツリメニューであっても、キャベツの千切りなどが山盛りに添えられており、野菜もしっかり摂れるのが嬉しいポイントです。

実際にSNSやグルメサイトの口コミを見ても、「女性一人でも全然平気だった」「店員さんが親切でむしろ入りやすかった」という声が多く見られます。私としても、変に気取ったカフェで周りの会話を気にするより、こういった活気のある食堂の方が、逆に落ち着いて食事ができるかなと思います。

大塚や江古田など店舗ごとの独自性

キッチンABCは池袋（東口・西口）だけでなく、大塚や江古田にも店舗を構えています。面白いのは、チェーン店でありながら画一的ではなく、店舗ごとに独自のカラーや限定メニューがあることです。

店舗名	エリアの特徴・雰囲気	おすすめポイント
西池袋店	池袋駅西口のディープなエリア。寺門ジモンさんも訪れた店舗。	聖地巡礼の筆頭候補。まずはここから。
池袋東口店	サンシャイン通り近く。買い物客や観光客も多く賑わう。	アクセス抜群。旗艦店的な存在で活気がある。
大塚店	山手線・大塚駅近くの南大塚エリア。より地域密着型で、少し落ち着いた雰囲気。	オムカレーなど、ここで人気の派生メニューも。
江古田店	日大芸術学部や武蔵大学が近く、学生街の空気感。	学生向けのボリューム満点メニューや、テイクアウト需要に対応。

例えば、「今日は買い物ついでに東口店」「ゆっくり味わいたいから大塚店」といった具合に、自分の現在地やその日の気分に合わせて店舗を選べるのも魅力の一つですね。

キッチンABCで孤独のグルメ気分を味わう名物メニュー

さて、ここからは実際に「何を食べるべきか」についてです。キッチンABCのメニューはどれも視覚的なインパクトが強く、まさに『孤独のグルメ』の主人公・井之頭五郎が「うん、いいぞ。こういうのでいいんだ」と心の独り言をつぶやきそうな逸品ばかりです。

名物オリエンタルライスと卵の濃厚な調和

まず絶対に外せないのが、キッチンABCの代名詞とも言える「オリエンタルライス」です。名前からしてミステリアスで異国情緒が漂いますが、その正体は「豚肉とニラのスタミナ炒め」をご飯の上に豪快に乗せたもの。

しかし、ただの肉野菜炒め丼ではありません。特筆すべきは、中央に鎮座する輝く生の卵黄です。

味付けはニンニクがガツンと効いた特製の甘辛ダレ。一口食べればご飯が進む進む。そして、食べ進めたところで中央の卵黄を崩し、お肉とご飯に絡めます。すると、尖っていたニンニクの刺激が卵のまろやかさで包み込まれ、濃厚でクリーミーな味わいに変化するのです。

この「味変」の瞬間こそがオリエンタルライスの真骨頂。まろやかさとパンチ力が同時に押し寄せてくる感覚は、一度食べたら忘れられません。まさに、明日への活力が湧いてくる「パワーランチ」の決定版です。

黒カレーの黒い見た目とスパイシーな味

オリエンタルライスと双璧をなすのが、その名の通り漆黒のビジュアルを持つ「黒カレー」です。一般的な家庭の黄色いカレーや、茶色い欧風カレーとは一線を画すこの黒さは、複数のスパイスに加えて、食用の竹炭などをブレンドしたルーによるものとされています。

「見た目が黒いだけで味は普通のカレーでしょ？」と思うなかれ。実際に食べてみると、しっかりとしたコクと深みがあり、後からピリッとしたスパイシーな辛味が追いかけてきます。

この黒カレーは「池袋の黒いカレー」として指名検索されるほどの人気メニューであり、多くの常連さんは「オリエンタルライス＆黒カレー」という夢のようなセット注文をしています。一度で二度美味しい、欲張りな私たちにぴったりの選択肢です。

豚からし焼肉は黒胡椒が効いた刺激的な味

先ほど「洋庖丁」との比較で触れた「豚からし焼肉」ですが、こちらの実力も凄まじいです。「からし」という名前から、和辛子や唐辛子の赤さを想像するかもしれませんが、主役は大量の黒胡椒（ブラックペッパー）です。

キッチンABCの豚からし焼肉は、メニューにも「自家製塩こうじと黒こしょうで味付けしたスパイシーな焼肉」とうたわれている一品。塩麹の酵素で柔らかくなり、旨味が増した豚肉に、これでもかとまぶされた粗挽きの黒胡椒。一口食べれば、口の中でビリビリとした刺激的な辛さが弾けます。

その刺激を中和するために、すかさず白米を放り込む。この「肉、米、肉、米」の無限ループは、理性を失うほどの快感です。「今日はとことん刺激が欲しい」「ストレスを食で発散したい」という日には、間違いなくこのメニュー一択でしょう。

本当にかなりパンチが効いているので、辛いのが苦手な方や、食後に大事な商談がある方は少し注意が必要かもしれません（笑）。でも、そのリスクを冒してでも食べる価値はあります

インディアンライスという謎メニューの正体

オリエンタルがあるならインディアンも。ということで存在するのが「インディアンライス」です。名前から「カレー味のドライカレー」や「タンドリーチキン風」を想像しがちですが、実はこれ、豚肉と野菜を洋風の卵とじにしたメニューなんです。

具材は豚肉、玉ねぎ、ピーマンなど。これらを特製のタレで炒め、半熟気味の卵でふんわりと閉じてご飯に乗せてあります。「なぜこれがインディアン？」という疑問は、食べた後も謎のままですが、それこそがこのメニューの最大のスパイスかもしれません。

味は甘辛い醤油ベースのタレと卵の優しさが絡み合い、どこか懐かしく、ホッとする味わいです。刺激的なオリエンタルライスとは対照的に、癒やしを求めるときに食べたくなる、通好みの選択肢として覚えておいて損はありません。

オムカレーなど店舗限定メニューも攻略

基本メニューを制覇したら、次は応用編です。特に大塚店などで見られる「オムカレー」は、洋食屋の基本であるオムライスに、あの名物黒カレーをかけた贅沢な一皿。

中のご飯はケチャップライスではなくドライカレーになっていることが多く（店舗や時期によります）、その上にとろとろの卵、そしてスパイシーな黒カレーがかかります。

• フワトロの卵
• スパイシーな黒カレー
• パラッとしたドライカレー

この3つの要素が口の中で混ざり合う瞬間は、まさに味の掛け算。さらにカツを乗せた「オムカツカレー」などの破壊力抜群なメニューもあり、カロリーのことを一旦忘れて没頭したくなる魅力があります。

キッチンABCで最高の孤独のグルメ体験を

キッチンABCは、『孤独のグルメ』の原作やドラマに直接登場していませんが、その世界観を追体験するには最高のロケーションです。無骨ながらも実直な料理、活気ある店内、そして「うまいものを腹一杯食べてほしい」というメッセージが伝わってくるメニューの数々。

洋庖丁との違いを楽しみつつ、ぜひあなただけの「メニュー選び」を楽しんでみてください。今日はオリエンタルライスにするか、黒カレーにするか、それともあえてのインディアンか。その迷う時間すらも、きっと至福のグルメ体験になるはずです。さあ、お腹を空かせて池袋へ向かいましょう！