バイクに乗る楽しみの一つに、ギア選びがありますよね。特にヘルメットは命を守る大切なアイテムですが、最近ネットやショップでよく見かける「LS2ヘルメット」が気になっている方も多いのではないでしょうか。
デザインが洗練されていてかっこよく、それでいて国内メーカーに比べて価格も手頃。でも、「一体どこの国のメーカーなの?」「安すぎて安全性が心配」といった疑問や、その評判が気になって購入に踏み切れないという方もいるはずです。
安全性に関する規格や、実際のサイズ感、そして内装のフィット感など、購入前に知っておきたい情報は山ほどあります。特に海外ブランドのヘルメットは、サイズ選びで失敗すると「痛くて被れない」なんてことにもなりかねません。
今回はそんなLS2ヘルメットについて、私が徹底的に調べた情報を、ユーザー目線で分かりやすくまとめてみました。
- LS2ヘルメットがどこの国のブランドかという背景と信頼性
- 安全性を示すJIS規格やSHARP評価に関する詳細な事実
- ユーザーの評判から見るサイズ感やフィット感の注意点
- 風切り音や耐久性など購入前に知っておくべきデメリット
LS2ヘルメットの評判とどこの国の製品か

まずは、LS2ヘルメットというブランドそのものの成り立ちや、なぜこれほど世界中で注目されているのかについて見ていきましょう。単に「安いだけのヘルメット」なのか、それとも世界で認められた実力派なのか。その背景を知ることで、評判の理由がより深く見えてきます。
LS2ヘルメットはどこの国のメーカーか
LS2ヘルメットについて深くリサーチしてみると、その製造メーカーは中国・広東省のヘルメットメーカー「江門市鹏程頭盔有限公司(Jiangmen Pengcheng Helmets Co.,Ltd.)」であることが分かります。一方で、ブランドとしての本社機能やデザイン・研究開発(R&D)の拠点はスペインのバルセロナに置かれており、欧州向けの企画・デザインはここで行われています。MotoGPなどのレースシーンでも見かける、空力特性を意識したヨーロッパらしいデザインが特徴です。
また、LS2は自社ブランドを世界展開するにあたり、欧州の拠点(バルセロナ)と中国の大規模工場を組み合わせた体制を取っています。つまり、ブランド・デザインはヨーロッパ発でありながら、実際の生産は中国を中心としたアジア圏の工場で行うという構造です。この「欧州デザイン・アジア生産」というハイブリッドな仕組みこそが、LS2の大きな特徴と言えます。
世界シェアと生産能力の凄さ
LS2は、親会社である江門市鹏程頭盔有限公司が年間200万個以上のヘルメットを生産できると言われる大規模メーカーです。この大きな生産規模によって原材料の調達コストを下げ、効率的な製造ラインを維持しています。その結果、最新の素材や技術を投入しながらも、比較的価格を抑えた製品を提供できているわけです。
LS2ブランドは現在、ヨーロッパ、日本を含むアジア、北米など世界80ヵ国以上で販売されており、多くの地域で「ミドルクラス価格帯の代表的なヘルメットブランドの一つ」として認知されています。
ここがポイント
中国の大規模工場による大量生産体制と、スペイン・バルセロナを拠点にしたヨーロッパ発のデザインを組み合わせることで、デザイン性とコストパフォーマンスを両立させているのがLS2の特徴です。
気になる安全性とJIS規格の取得状況
やっぱり一番気になるのは「安全性」ですよね。どれだけ安くてかっこよくても、ここが疎かになっていてはヘルメットとしての意味がありません。日本国内でヘルメットを語る上で外せないのが「JIS規格(日本産業規格)」や「SGマーク」、そして近年では「PSCマーク」です。
現状、日本の正規代理店を通じて販売されているLS2ヘルメットの日本国内向け正規品の多くはSG/PSCマークを取得しています。これは日本の「消費生活用製品安全法」に基づいた基準であり、公道で使用する上での安全性が認められている証拠です。また、SGマーク付き製品には、万が一製品の欠陥によって人身事故が発生した場合の対人賠償責任保険も付帯しています。
JIS規格はとっていないの?
ここで注意が必要なのが、「全てのモデルがJIS規格を取得しているわけではない」という点です。AraiやSHOEIといった国内メーカーは、非常に厳しいJIS規格(さらにはSNELL規格など)をクリアすることを前提に設計しているモデルが多い一方で、LS2の一般的な日本向け市販モデルは、ECE規格やSG/PSCを満たしていても、JISマーク自体は付いていないケースが多数派です。
注意点
JIS認証を取得するためには、多額のテスト費用や、日本独自の規格に合わせた製造ラインの調整、工場の認定などが必要になります。そのため、LS2に限らず海外メーカーの多くは、必須ではないJISをあえて取得せず、欧州ECE規格やSG/PSCなどの基準に絞って認証を受けているモデルが多いのが実情です。一部、レーシング向けのモデルではMFJやFIMの公認を取得しているものもありますが、全モデルがJIS対応というわけではありません。
「JISがないと不安」という方もいるかもしれませんが、LS2は欧州のECE R22.05/R22.06規格などの国際的な安全基準をクリアし、モデルによってはレース団体の公認を受けているものもあります。購入前には、欲しいモデルが具体的にどの規格(SG、PSC、ECE、FIMなど)を通っているか、メーカーや正規代理店の公式情報で確認することをおすすめします。
事故に強い?SHARP評価と保護性能
「JIS規格がないモデルがあるなら、何を信じて頭を預ければいいの?」と不安に思いますよね。そこで信頼の根拠となるのが、イギリス政府運輸省(Department for Transport)が実施している「SHARP(Safety Helmet Assessment and Rating Programme)」という安全評価プログラムです。
このSHARP評価は、単に規格をパスしているかどうかではなく、ECE規格に適合したヘルメットを対象に、実際の事故データを基にした様々な速度・角度からの衝撃テストを行い、ヘルメットの保護性能を5段階の「星の数」で評価する仕組みです。規格テストよりも厳しい条件で追加試験を行う点が特徴で、世界的に見ても信頼性が高い指標とされています。
LS2のフルフェイスやシステムヘルメットの中には、このSHARP評価で4つ星を獲得しているモデルが複数存在します(例:FF352 Rookie、FF320 Stream Evo、FF358、Valiantなど)。一方で、2〜3つ星評価のモデルもあり、「モデルごとに安全性能の傾向が違う」こともデータから分かります。価格が安いからといって一律に安全性が低いわけではなく、モデルごとに評価を確認して選ぶことが重要です。
SHARP評価とは?
欧州ECE規格に適合した市販ヘルメットを対象に、規格試験よりも厳しい条件で頭部への衝撃を測定し、「脳へのダメージ軽減能力」を星1〜5段階で可視化したものです。欧州のライダーたちは、ブランド名だけでなくこの星の数を重視してヘルメットを選ぶ傾向があります。(出典:英国運輸省 SHARP公式サイト)
つまり、日本のJISマークが付いていなくても、欧州の厳しい安全基準と、政府系機関による追加テストで安全性が裏付けられているモデルも多い、というのがLS2の特徴です。特定のモデルを検討している場合は、SHARPの公式サイトで星の数をチェックしておくと安心感が高まります。
軽いと評判のカーボンモデルの特徴
LS2のラインナップの中で、特に評判が良く、ブランドのアイコンにもなっているのが「カーボン」素材を使ったモデルです。カーボンヘルメットといえば、国内メーカーだと安くても6万円〜7万円、高ければ10万円オーバーという高級品の代名詞ですが、LS2は同じフルカーボンシェルでも、比較的手の届きやすい価格帯に収まっているモデルが多いです。
カーボンの最大のメリットは、なんといっても圧倒的な「軽さ」です。一般的なABS樹脂などのヘルメットに比べて数百グラム単位で軽いモデルもあり、これは実際に被ってみると衝撃的な違いを感じます。代表的なレーシングモデルでは、おおよそ1.3kg前後という公称重量のものもあり、フルフェイスとしてはかなり軽量な部類に入ります。
ツーリングでの疲労度が変わる
ヘルメットが軽いと、走行中の風圧やGに対して首や肩にかかる負担が大きく減ります。特に長距離ツーリングや高速道路を長時間走るシチュエーションでは、夕方の首の痛みや肩こりが嘘のように楽になります。「CHALLENGER F」シリーズや「THUNDER」シリーズなどのカーボンモデルは、その軽さとカーボンの織り目の美しさで、「この値段でフルカーボンが買えるの!?」という声も多く上がっています。軽いヘルメットを探しているなら、一度はチェックしてみる価値がありますよ。
なぜ安い?価格の安さと機能性の関係
LS2ヘルメットの評判を見ていると、必ずと言っていいほど「コスパ最強」という言葉を目にします。では、なぜこれほど安いのでしょうか?品質を落としているから?
その理由は、先ほど触れた大規模な生産体制に加えて、「必要な機能をできるだけ標準装備にする(オールインワンパッケージ)」という販売戦略の上手さにあります。例えば、国内メーカーだとオプション扱い(別売り)になることが多い以下の装備が、LS2では最初から箱に入っているモデルが多いんです。
- インナーバイザー:日差しを遮るサングラス機能が内蔵されているモデルが多数。
- ピンロックシート:シールドの曇りを防ぐ必須アイテム(同梱されるモデルと、別売対応モデルがあります)。
- 専用のキャリングバッグやヘルメットポーチ:保管や持ち運びに便利なバッグが付属するモデルも多いです。
これらを後から買い足すと、本体価格プラス5,000円〜1万円近くになることも珍しくありません。しかし、LS2の一部モデルではこうした装備が最初からセットになっているため、購入したその日から快適なフル装備で走り出せます。この「実質的な安さ」こそが、ユーザーのお得感を刺激する大きな要因になっています。
コスパの秘密
大量生産によるコストダウンと、オプション商法に寄りかかり過ぎない「全部入り」志向のパッケージが、ユーザーのお得感に繋がっています。後から買い足すものが少なくて済むのは、お財布に本当に優しいですよね。
悪い口コミは?LS2ヘルメットの評判を分析

良いことばかり書いても信憑性がないですよね。「安いには安いなりの理由があるはず」と疑うのは当然です。ここからは、実際にユーザーから聞かれる「悪い評判」や「デメリット」についても、包み隠さず整理していきたいと思います。ここを許容できるかが、LS2を選ぶ分かれ道になります。
高速走行で風切り音がうるさい原因を解説
LS2ヘルメットのレビューでよく見かける不満点の一つが、「風切り音(ウィンドノイズ)」です。特に80km/h〜100km/hを超えるような高速域において、「ヒューヒュー」「ゴーゴー」といった風の音が、国内のAraiやSHOEIといった高級ヘルメットに比べると大きめだと感じるという意見が散見されます。一方で、日本向けに調整されたJAPAN FITモデルでは「想像より静かだった」というインプレもあり、モデルや個人の感じ方による差も大きいところです。
構造的な要因
これにはいくつかの理由が考えられます。LS2はインナーバイザーの操作レバーや、デザイン性を重視した大型ベンチレーション(通気口)など、ヘルメットの表面に凹凸が多い設計になっているモデルが少なくありません。これが空気抵抗となり、風切り音を発生させる一因になります。また、シールドと帽体を密着させるゴムパッキン(ウェザーストリップ)の精度や、全体の密閉性が、数万円高い国内ハイエンドモデルと比較すると劣るという評価もあります。
対策は?
高速道路を長時間走るようなツーリングでは、インカムの音が聞こえにくくなるレベルのノイズが出るという口コミもあります。そのため、高品質な耳栓(イヤープラグ)を併用するのが現実的な対策になります。街乗りメインであれば「そこまで気にならない」という声も多く、どこまで許容できるかは使い方と個人の感覚次第です。
サイズ感はきつい?失敗しない選び方
次に多いトラブルが「サイズ選びの失敗」です。はっきり言いますと、特に欧州仕様ベースのLS2ヘルメットは、「典型的な日本人の頭にはきつい」と感じるケースがあるのは事実です。
これは、LS2がグローバルブランドであり、欧米人の頭の形(上から見ると前後に長い楕円形)をベースにしたモデルが多いからです。対して、私たち日本人の頭は「丸型」で、ハチ(側頭部)が横に張っている傾向があります。
そのため、頭の外周サイズ(おでこの周り)だけで選んでMやLサイズを買うと、「頭は入るけど、こめかみや側頭部が万力で締め付けられるように痛い!」という事態になりがちです。最近は、日本向けにライナー形状を調整した「JAPAN FIT」モデルも増えていますが、従来型のグローバルモデルでは、一般的には「国内メーカーよりワンサイズ上を検討」する人が多い印象です。モデルによっては、2サイズアップでちょうど良かったという声もあります。
頭が痛い時の対処法と内装の調整について
もしネットで購入してしまってから「やっぱりきつい、頭が痛い」となった場合はどうすればいいのでしょうか。諦める前に試せる方法があります。
まず、LS2の内装パッドは取り外し可能なものがほとんどです。代理店や販売店を通じて、厚みの違うチークパッド(頬のパッド)やトップパッド(頭頂部)がオプションパーツとして販売されていることがあります。側頭部がきつい場合は、トップパッドを調整して被る深さを変えたり、チークパッドを薄いものに交換することで改善できるケースがあります。
内装の「へたり」を待つ
また、新品のヘルメットは内装のスポンジに張りがあるため、最初はきつく感じますが、1ヶ月ほど使用して汗をかいたり着脱を繰り返したりすると、多少馴染んで(へたって)空間に余裕ができることもあります。ただ、被って5分で頭痛がするレベルなら、無理をせず内装の加工や交換、サイズ変更を検討してください。頭痛は集中力を奪い、運転にも危険を及ぼします。
購入前の確認事項
交換用の内装パッドが国内で手に入りやすいかどうかも、購入前にチェックしておくと安心です。海外ブランド全般に言えることですが、補修部品の在庫や入手性は国内メーカーほど安定していない場合があります。また、JAPAN FITモデルは日本人向けにライナー形状が調整されているので、「きつさ」が不安な場合は、まずそちらから試着してみるのも一つの方法です。
システムヘルメットの耐久性と品質の評価
LS2の人気商品の一つに、顎の部分がガバッと開く「システムヘルメット(VALIANTシリーズやADVANTシリーズなど)」があります。チンバー(顎部分)が180度回転して後頭部まで移動するユニークな機構など、非常に便利なのですが、ここにも注意点があります。
可動部分が多いということは、それだけ「壊れやすい箇所が多い」ということでもあります。長期間使用していると、開閉機構のロックが甘くなったり、パーツがガタついたりといった劣化が、国内ハイエンドメーカー品と比べると早く感じられるという口コミもあります。一方で、「数年使っても問題なく快適」というレビューもあり、使用状況や個体差によるところも大きそうです。
また、内装の素材の肌触りや縫製の精密さ、ベンチレーションスイッチの操作感といった細部の「質感」についても、「価格を考えれば十分」「お値段なり」といった評価が多く見られます。初期費用は安いですが、5年以上長く使い続けるための「耐久性」や「質感」という点では、ある程度の割り切りが必要かもしれません。
| 評価項目 | LS2ヘルメット | 国内ハイエンドメーカー |
|---|---|---|
| 価格帯 | 非常に安い (装備を含めるとコスパ高) | 高い (ブランド料・国内生産コスト含む) |
| 静粛性 | 風切り音が気になる場合あり (モデル・個人差あり/高速走行時に顕著なことも) | 非常に静か (密閉性・遮音性が高い) |
| 耐久性・質感 | パーツの消耗や質感は価格相応 (長期使用には割り切りが必要な場合も) | 長持ちする (細部の作り込みや素材感が良い) |
| サイズ感 | 欧州仕様モデルは横幅がやや狭め (試着必須・サイズアップを検討/JAPAN FITは日本人向けに調整) | 日本人に最適化 (ジャストフィットしやすい) |
まとめ:LS2ヘルメットの評判と推奨ユーザー
ここまでLS2ヘルメットの評判について、良い面も悪い面もかなり深く見てきました。結論として、LS2は誰にでも手放しでおすすめできる万能ヘルメットではありませんが、その特性を理解して選べば、ハマる人にはとことんハマる非常に魅力的な製品です。
LS2ヘルメットが特におすすめなのは、こんなタイプの方です:
- コスパ重視派:とにかく初期費用を抑えて、デザインのかっこいいヘルメットが欲しい人。
- 機能性重視派:インナーバイザーや曇り止めなどの便利機能を、なるべく追加出費なしで手に入れたい人。
- 合理的な安全思考:JISマークにこだわるより、ECEやSHARPなど国際基準で安全性が担保されていれば納得できる人。
- セカンドヘルメット需要:通勤や街乗り用として、気兼ねなく使える2個目のヘルメットを探している人。
- 割り切りができる人:多少の風切り音や内装のへたりは、価格の安さと軽さ・装備の充実さとのトレードオフとして許容できる人。
逆に、「一つのヘルメットを5年以上大切に使いたい」「高速道路での静寂性と快適性を最優先したい」「試着せずにネットで買いたい(サイズ選びで悩みたくない)」という方は、予算を足してでも国内メーカーの製品を選んだ方が、結果的に満足度は高くなるかもしれません。
私としては、このデザイン性と装備の充実度でこの価格なら、十分に「買い」の選択肢に入ると感じました。自分のバイクライフに何を求めるか、優先順位を整理して、ぜひベストな相棒を見つけてくださいね。
免責事項
本記事の情報は一般的な評判や公開情報、および個人の分析に基づくものであり、特定の製品の完全な安全性や、個人の頭部へのフィット感を保証するものではありません。ヘルメットは生命に関わる重要な安全装備です。購入の際は必ずご自身で試着を行い、最新の安全規格適合状況をメーカーや正規代理店の公式情報等でご確認ください。

