ちらし寿司のおかずや組み合わせって、意外と悩みませんか?
「今日は楽しいひな祭り!」と張り切ってちらし寿司を作ったものの、ふと食卓を見渡すと「…あれ?これだけだと何か寂しい?」と不安になった経験、私にはあります。
メインが華やかなだけに、他のおかずをどうすればいいのか、汁物はいつもの味噌汁でいいのか、栄養バランスはどうなのかと迷ってしまうことも多いですよね。特に食べ盛りのお子さんがいるご家庭だと、ちらし寿司だけでは「物足りない!肉がない!」と言われてしまうことも。
実は、ちらし寿司はひな祭りなどの「ハレの日」に定番として食べられる料理である一方で、献立のバランス調整が極めて難しいメニューでもあるんです。
この記事では、そんな悩みを解決するために、以下のポイントを徹底的に解説します。
- ちらし寿司に足りない「タンパク質」を補う肉料理の正解
- ハレの日から日常まで使い分けられる汁物の選び方
- 彩りと食感をプラスする野菜の副菜アイデア
- レンジを活用して品数を増やす時短テクニック
失敗しないちらし寿司とおかずの組み合わせ

ちらし寿司は、酢飯の甘酸っぱさと具材の旨味が魅力ですが、献立全体で見ると「炭水化物」が中心になりがちです。
ここで重要になるのが、「味の重複回避」「栄養バランスの補完」「彩りの調和」という3つの視点です。単調にならないよう、食感や味わいに変化をつけることが失敗しないポイントですよ。
ちらし寿司に合うおかずは肉料理が鉄板
ちらし寿司には海老や錦糸卵が入っていますが、現代の食生活、特に食べ盛りのお子さんや男性がいるご家庭では、それだけだと「メインディッシュ(主菜)がない」と見なされてしまうことがよくあります。
これを私は勝手に「ちらし寿司のプロテイン・パラドックス」と呼んでいるのですが、これを解消するには、思い切って肉料理を合わせるのが正解です。
ただし、ステーキやこってりした豚の角煮のような「脂の重い肉料理」は、繊細な酢飯の風味を損なってしまう恐れがあります。
そこで私が自信を持っておすすめしたいのは、鶏肉を使ったおかずです。
なぜ鶏肉がベストパートナーなのか?
鶏肉は牛肉や豚肉に比べて淡白でありながら旨味が強く、和風の出汁や醤油味との親和性が非常に高いからです。皮を除いた鶏肉は高たんぱく・比較的低脂肪で、和食のだし(昆布や野菜などグルタミン酸を多く含む食材)と合わせるとうま味の相乗効果も期待できます。
おすすめメニュー:だし唐揚げ
通常のニンニク醤油の唐揚げではなく、下味に「白だし」や「かつお出汁」を効かせた「だし唐揚げ」にしてみてください。
出汁の風味がリンクして、ちらし寿司の和の雰囲気とも見事にマッチします。これなら、子供から大人まで文句なしの「鉄板」の組み合わせになります。
また、レンジで作れる「鶏チャーシュー」もおすすめです。
鶏むね肉を使えばヘルシーですし、甘辛いタレは酢飯との相性が抜群。火を使わずに作れるので、コンロが埋まりがちな行事食の準備において強力な味方になります。
ちらし寿司の献立に合う汁物の選び方
ちらし寿司の献立において、汁物は単なる水分補給以上の役割を持っています。それは「口の中のリセット」と「旨味の補完」です。
シーンによって、「伝統的なお吸い物」にするか、「実用的な具沢山汁」にするかを選び分けましょう。
ハレの日なら「はまぐりのお吸い物」一択
ひな祭りや入学祝いなどの「ハレの日」であれば、迷わずはまぐりのお吸い物を選びましょう。
透明度の高い出汁は視覚的にも美しく、はまぐりにはグルタミン酸や、うま味やコクに関わる有機酸のひとつである「コハク酸」などが含まれており、酢飯の酸味と対照的な深いコクを感じさせてくれます。
日本では古くから、二枚貝であるはまぐりは「対の貝殻しか合わない」ことから、夫婦円満や良縁の象徴とされてきました。こうした食文化の背景を知っておくと、食卓での会話も弾みますね。
(出典:農林水産省「お家で祝うひなまつり!」)
日常の夕食なら「味噌汁」で満足感を
一方で、日常の夕食としてちらし寿司を出す場合は、具沢山の味噌汁がおすすめです。
日常なら「豚汁」や「けんちん汁」が最強
根菜たっぷりの汁物は、冷たいお寿司に対して「温かさ」を提供してくれますし、ちらし寿司単品では不足しがちな食物繊維も補えます。
特に冬場や、ボリュームを求める男性に対しては、これらが「飲むおかず」として献立を支えてくれます。
ちらし寿司の付け合わせに野菜の副菜
ちらし寿司の彩りを思い出してみてください。
桜でんぶや海老の「ピンク」、錦糸卵の「黄色」、酢飯の「白」。これらがメインカラーですよね。
そう、圧倒的に「緑色」が不足しがちなんです。
付け合わせには、緑の野菜を使った「和え物」で色彩のバランスを整えるのがプロのコツです。
| メニュー名 | 特徴と役割 | おすすめシーン |
|---|---|---|
| 菜の花の辛子和え | ほろ苦さが甘めの酢飯を引き締め、春の訪れを演出。 | ひな祭り・春 |
| ほうれん草のお浸し | 低カロリーでさっぱり。箸休めに最適。 | 日常・通年 |
| きゅうりの胡麻和え | 酸味を使わず、香ばしさでアクセントをプラス。 | 子供・夏 |
酸味の重複に注意!
ちらし寿司自体にお酢が使われているので、副菜まで「酢の物」にしてしまうと、食卓全体が酸っぱくなってしまいます。
副菜は「出汁割り醤油」や「胡麻和え」、「ナムル」など、酸味を抑えた味付けにするのがポイントです。
ちらし寿司に合うおかずで子供に人気な品
小さなお子さんの場合、生魚(刺身)がまだ食べられなかったり、酢飯独特の酸味が少し苦手だったりすることもありますよね。
そんな時は、子供が大好きな「甘味」や「分かりやすい旨味」のあるメニューをうまく組み込みましょう。
王道はやはり「茶碗蒸し」です。
あのツルンとした食感と優しい出汁の味わいは、幼児から小学生まで大人気。コーンやカマボコを入れるとさらに喜ばれますし、柔らかいので消化にも良いですね。
また、意外とおすすめなのが「ミートボール」や「甘辛い照り焼きチキン」です。
これらは砂糖やみりんを使った甘めの味付けなので、甘い酢飯との相性が良く、子供がパクパク食べてくれる魔法のアイテムになります。「お寿司食べてくれない…」と悩む前に、好きなものとセットにしてしまいましょう!
ちらし寿司の献立で夕食ならボリュームを
夕食としてしっかり満足感を出したい場合、「炭水化物(米)×炭水化物(根菜)」にはなりますが、ボリュームのあるおかずを一品追加する戦略もアリです。
例えば、「筑前煮(がめ煮)」のような根菜と鶏肉の煮物。
ゴロゴロとしたレンコンやごぼうは噛み応えがあり、満腹中枢を刺激してくれます。また、冷たいお寿司と温かい煮物の「温度差」も、食後の満足感を高める重要な要素なんです。
男性も満足する「肉ちらし」という選択肢
また、食べ盛りのお子さんや旦那さんがいる場合は、思い切って「肉ちらし」にしてしまうのも一つの手です。
甘辛く煮た豚肉や牛肉を酢飯に混ぜ込む、あるいはトッピングするスタイルです。キュウリの食感をアクセントにすれば、それだけでスタミナ満点の主食に早変わりします。
この場合、副菜は逆にさっぱりとしたサラダを合わせるとバランスが取れますよ。
シーン別ちらし寿司とおかずの組み合わせ

「誰と食べるか」「いつ食べるか」によって、ベストな組み合わせは変わります。
ここでは具体的なシーンに合わせた献立のヒントをご紹介します。
ちらし寿司に合うおかずで簡単なレンジ技
ちらし寿司を作るだけで精一杯…酢飯を作って、具を煮て、冷まして…という工程だけで疲れ切ってしまうこと、ありますよね。
そんな時に、コンロを使って揚げ物や煮物を作るのは正直しんどい。そんな時は文明の利器、電子レンジに頼りましょう。
私がよくやるのは「レンジ蒸し鶏のサラダ」です。
耐熱容器に鶏むね肉とお酒を入れてチンするだけ。あとは手で裂いて、きゅうりやトマトと一緒に盛り付け、市販のゴマダレやポン酢をかければ立派なメインおかずの完成です。
コンロが空くので、その間に汁物を作れるのも大きなメリットですね。
レンジ茶碗蒸しもおすすめ
蒸し器を出さなくても、卵液と具材を耐熱容器に入れて、電子レンジ(弱ワット数)で加熱すれば、「す」が入らず滑らかな茶碗蒸しが作れます。
夏場なら冷やして食べても美味しいので、前日に作っておくのも賢い手です。
ひな祭りのちらし寿司献立と定番の彩り
ひな祭りの食卓は、とにかく「かわいらしさ」と「春らしさ」がテーマです。
味はもちろんですが、視覚的な楽しさが求められます。
おかずにもお花のモチーフを取り入れてみましょう。
例えば、インゲンやヤングコーンを薄切りの豚肉で巻いて焼いた「お花の肉巻き照り焼き」。
半分にカットすると、切り口がお花のように見えて、食卓が一気に華やぎます。甘辛い照り焼き味は、子供たちにも大好評です。
汁物には「手毬麩(てまりふ)」を浮かべて、副菜にはピンク色のハムや桜の塩漬けをあしらったポテトサラダなどを添えると、完璧な「映える」献立になりますよ。
ちらし寿司のおかずで揚げ物や唐揚げ
もし時間の余裕があるなら、揚げ物はちらし寿司の最強のパートナーです。
特に「春野菜のかき揚げ」は、サクサクとした食感が、柔らかい食感ばかりになりがちなちらし寿司の良いアクセントになります。
新玉ねぎ、空豆、桜海老、貝柱など、春の食材を使ったかき揚げは、天つゆではなくお塩(抹茶塩など)でいただくと、油っこさを感じさせず、さっぱりとしたお寿司の邪魔をしません。
もちろん、みんな大好き「唐揚げ」も外せません。
唐揚げを大皿に盛って添えるだけで、一気に「ご馳走感」が出るので、誕生日やお祝い事の席では迷わず採用したいメニューです。
ちらし寿司に合うおかずであっさりサラダ
夏場や、さっぱりと食事を済ませたい時には、マヨネーズ系よりもクリアな味わいのサラダが合います。
おすすめは「オクラともずくの梅スープ」や「トマトと大葉のサラダ」など、酸味やネバネバ・ツルツルした食感のもの。
これらは喉越しが良く、夏バテで食欲が落ちている時でも食べやすい組み合わせです。
味付けのコツ:酸味より「出汁」と「塩」
ドレッシングにお酢を使いすぎると、酢飯と味が被ってしまいます。
オリーブオイルと塩、または少量の醤油でシンプルに味付けるか、かつお節をたっぷりかけて旨味で食べさせるのがコツです。
ちらし寿司の献立にもう一品なら煮物
ご高齢の方がいらっしゃる場合や、ほっこりした和食でまとめたい場合は、優しい味の煮物が喜ばれます。
揚げ物や固いお肉よりも、お出汁をたっぷり含んだ柔らかいおかずが好まれる傾向にあります。
「高野豆腐の含め煮」や「ふろふき大根」などがベストチョイスです。
口当たりが柔らかく、噛むとジュワッと広がる出汁が、酢飯の酸味をマイルドにしてくれます。
煮物はどうしても茶色っぽくなりがちなので、絹さやを散らしたり、カボチャの煮物を加えて黄色を足したりすると、見た目も綺麗にまとまりますよ。
ちらし寿司のおかずの組み合わせのまとめ
ちらし寿司の献立を考える時は、以下の3つのポイントを意識すると、驚くほどスムーズに決まります。
- 足りない色(特に緑)を副菜で補う
菜の花やほうれん草で、食卓を引き締めましょう。 - 食感のアクセントを加える
柔らかいお寿司に対し、揚げ物のサクサク感や野菜のシャキシャキ感をプラスします。 - 満足感を出すためにタンパク質をプラスする
鶏肉料理や具沢山の汁物で、「おかずがない」問題を解決します。
「ちらし寿司 おかず 組み合わせ」で悩んだら、まずは難しく考えず、冷蔵庫にある野菜でお吸い物を作り、レンジで蒸し鶏を作ってみてください。それだけでも十分、立派な献立になります。
大切なのは、作る人(あなた)が疲れすぎないこと。
便利な調理家電や市販品(「〇〇の素」など)もうまく使いながら、家族みんなでハレの日の食事を楽しんでくださいね。

