海外旅行の計画を立てる時、「トイレが綺麗な国 ランキング」って、つい気になって検索してしまいませんか?
特に日本は世界的に見てもトイレが快適なので、アジア諸国、例えば韓国のトイレ事情や、ヨーロッパ、特にイタリアのトイレ事情はどうなのか、シンガポールの清潔さは本当か、など、現地のリアルな状況は気になるところですよね。
「ランキング」といっても、WHO(世界保健機関)などが出す公衆衛生のデータと、私たちが旅行で体験する「清潔さ」は、実は尺度が違うんです。
この記事では、その両方の視点から、世界のトイレ事情を分かりやすくまとめてみました。旅行前の不安解消に役立てば嬉しいです。
- 公衆衛生データに基づく「安全な国」
- 旅行者が感じる「快適な国」の違い
- 韓国やヨーロッパなど主要国のトイレ事情
- 海外でトイレに困らないための豆知識
トイレが綺麗な国ランキングを指標で分析
まず、「ランキング」と言っても、国際機関が見ている「公衆衛生の安全性」と、私たちが旅行で感じる「綺麗さ」は別モノなんです。ここでは、客観的なデータに基づいたランキングを見ていきましょう。この視点を知っておくと、現地の状況を理解しやすくなるかもしれません。
WHOデータが示す「安全な衛生」
国際的な基準として、WHO(世界保健機関)やユニセフが共同で監視している「安全に管理された衛生設備(Safely managed sanitation)」というデータがあります。
これは、国連のSDGs(持続可能な開発目標)のターゲット6.2(すべての人々の衛生施設へのアクセス達成)を測定するために用いられる、非常に重要な指標なんですね。
これは単に「トイレがあるか」ではなく、もっと厳密な基準で評価されています。
「安全に管理された衛生設備」の条件
以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 改善された衛生設備: 排泄物を人間との接触から衛生的に分離する設備(水洗トイレ、換気改善型ピットトイレ、コンポストトイレなど)であること。
- 共有されていない: 他の世帯と共有されていないこと。
- 安全な処理: 排泄物がその場で安全に処理・処分される(in situ)、またはオフサイトで安全に輸送・処理されること。
つまり、このデータが示しているのは、主に「各家庭の衛生設備が整備され、かつ、排泄物が環境を汚染せずに適切に処理されているか」という、国の公衆衛生インフラの成熟度です。
WHOの2022年のデータに基づくと、このアクセス率が極めて高い国々は、主にヨーロッパの先進国です。
- アンドラ: 100%
- スイス: 100%
- オーストリア: 99%
このほか、多くの西ヨーロッパ諸国や北米、オーストラリア、ニュージーランドなども99%以上の高い水準を達成しています。(出典:WHO Water, sanitation and hygiene (WASH) monitoring)
一方で、同データは世界の衛生状態の深刻な格差も浮き彫りにしています。世界平均は46%に留まっており、国によってはチャド(4%)、ベナン(2%)、北朝鮮(1%)など、アクセスが極めて困難な地域も存在します。(※これらの数値は2022年のデータに基づく目安であり、最新の状況は変更される場合があります)
データと体感のギャップ
ここで最も注意したいのが、この「アクセス率100%」の国(例:スイス)が、必ずしも「日本人旅行者にとって最もトイレが快適な国」とイコールではない、ということです。
これはあくまでインフラの指標。私たちが旅行中に使う駅や観光地の「公衆トイレ」の清潔度、便座の有無、利用料金(ヨーロッパでは有料が多い)、温水洗浄便座の有無といった「快適さ」とは、まったく尺度が異なるんですね。
なぜ日本は世界一と評価されるのか
一方で、旅行者の「主観的な快適さ」や「体験」でいえば、日本が「世界一トイレが綺麗な国」と評価されることが多いのは、皆さんも感じるところかなと思います。
ヨーロッパからの旅行者ですら、日本の駅やデパートの公衆トイレの清潔さ、機能性、そして無料で利用できることに驚嘆するといいます。この日本の圧倒的な優位性は、単一の要因ではなく、いくつかの要素が複合的に絡み合った結果なんですね。
技術的な快適さはもちろんですが、公共の場所を綺麗に使うという文化的な背景や、それを維持するためのプロフェッショナルな清掃サービスの質の高さが挙げられます。
さらに、近年ではトイレを意図的な「おもてなし文化」の象徴として発信する動きもあります。
THE TOKYO TOILET プロジェクトとは?
その象徴が、日本財団が推進した「THE TOKYO TOILET」プロジェクトです。
これは、東京都渋谷区内17カ所の公共トイレを、安藤忠雄さんや隈研吾さんといった世界的な16人のクリエイターがデザインし、生まれ変わらせたプロジェクトです。
- 目的: 従来の公共トイレが持つ「暗い、汚い、臭い、怖い」というイメージを払拭し、性別、年齢、障害を問わず誰もが快適に利用できるトイレを提供すること。
- 背景: トイレを日本が世界に誇る「おもてなし」文化の象徴と位置づけ、世界からの注目を集めること(2021年の東京オリンピック・パラリンピックも見据えていました)。
- 協力体制: 設計・施工には大和ハウス工業、機器・レイアウト提案にはTOTOが協力しており、まさに日本の技術の粋を集めたプロジェクトと言えます。
(出典:日本財団「THE TOKYO TOILET」)
このように、日本のトイレの「綺麗さ」は、単なる衛生設備を超え、「文化・芸術」の域にまで高められ、国家的なブランディング戦略の一環ともなっているんですね。
温水洗浄便座と日本の清掃文化
日本のトイレの快適性を語る上で欠かせないのが、やはり「温水洗浄便座(ウォシュレット)」の存在ですよね。(※「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です)
一般家庭での普及率は82%(2023年時点、内閣府消費動向調査より)にも達していて、もはや生活インフラの一部として完全に定着しています。
この高機能トイレは、海外では高級ホテルや一部のアジアの富裕層向け施設以外ではほとんど見かけません。アメリカ人が日本でこの便座の快適さに目覚め、「お土産に買って帰る」と決意する、なんて話もあるくらい、ユニークで価値のある体験なんですね。
でも、日本の凄さは技術だけじゃありません。その清潔さを支える根底には、教育と文化があります。
教育(しつけ)としての清掃
多くの外国人コメンテーターが指摘するように、日本の学校では、生徒自身が教室やトイレを掃除することが教育カリキュラムの一環となっています。
これにより、「公共の場所を清潔に保つのは利用者の責任でもある」という意識が、幼い頃から自然と育まれます。ある海外の観察者は、日本の公衆トイレ利用者の文化を「入った時よりもきれいにして出ようとする」とまで表現しています。
プロフェッショナルな清掃サービス
文化的な背景に加え、清掃業務そのものの質が極めて高いレベルにあります。
例えば、日本の駅(例:上野駅)では、清掃スタッフが日々のミーティングで清潔さと安全性を確認し、嘔吐物処理のような緊急事態にも、専門の機械を用いて迅速かつ衛生的に対応する体制が整っているそうです。
この様子は「まるで高級ホテルのサービスのようだ」と評されます。対照的に、ドイツでは駅で嘔吐した場合、モップを渡されて「自分で掃除する」ことを周囲から期待される文化があるとの指摘もあり、日本の手厚いサービスがいかに特別かが分かりますね。
トイレが綺麗な国ランキングと旅行体験
ここからは、客観的なデータよりも私たちが旅行者として気になる「リアルな体験」に焦点を当てて、国別のトイレ事情を詳しく紹介します。「トイレが綺麗な国 ランキング」と検索する人が特に気にしている国々をピックアップしました。
韓国のトイレで紙が流せない理由
お隣の国、韓国。ソウルなどは非常に発展しており、旅行先として大人気ですが、トイレでカルチャーショックを受ける人が最も多い国かもしれません。
まず清潔度ですが、観光客が行くような場所で「使えないほど汚い」というわけではなく、基本的な清潔さを保とうとする意識はあります。韓国の人々も汚いトイレは嫌がります。
最大の問題は、多くの飲食店や古いビル、一部の地下鉄の駅などのトイレで、トイレットペーパーを便器に流せないことです。
使用済みの紙は、便器の横に置かれた大きなゴミ箱(汚物入れ)に捨てるのがルール。これ、慣れていない日本人にとっては、衛生面や「匂い」のきつさが最も「無理だ」と感じるポイントかもしれません…。
なぜ流せないの?
これは利用者のマナーの問題ではなく、シンプルにインフラ(配管)の問題です。
- 排水管が細い: そもそも紙を流す前提で設計されていない古い建物が多く、排水管が非常に細い。
- 水圧が弱い: 地域や建物の構造によって、紙を流し切るだけの十分な水圧が確保できない。
これらの理由で、日本の感覚で紙を流すと、即座に詰まってしまうんです。
ただ、近年はインフラ改善が急速に進んでおり、ホテルや空港、新しいデパートやカフェなどでは流せるトイレも増えてきています。「流してください」という張り紙がある場合もあるので、現地の表示に従うのが一番ですね。
ヨーロッパのトイレは有料が基本?
ドイツやフランス、オランダなど、ヨーロッパの主要都市では、公衆トイレは「有料」が基本だと考えておいたほうが無難です。
特に大きな駅や観光地、高速道路のサービスエリアなどでは、トイレの利用に0.50ユーロから1ユーロ程度(約80円〜170円)の料金がかかります。入口に清掃員が座っていたり、自動改札ゲートが設置されていたりしますね。
これは、トイレの維持管理や清掃が「公共サービス(無料)」ではなく、「受益者負担のサービス(有料)」として扱われているためです。
また、有料だからといって日本のデパートのような清潔さを期待すると、ちょっとギャップがあるかもしれません。パリ在住経験のある人の話では、フランスの駅は掃除をしていてもアンモニア臭が残っていることが多い、とのことでした。
旅行のアドバイス:小銭は必須!
ヨーロッパを旅行する際は、トイレ代わりのカフェ利用(カフェの客は無料でトイレを使えることが多い)なども考えつつ、常に0.50ユーロや1ユーロの小銭(コイン)を持ち歩くことを強くおすすめします。いざという時にお札しかないと、本当に困ってしまいますからね…
海外旅行の準備については、持ち物全般を網羅したチェックリストも用意していますので、よかったら参考にしてください。
参考記事: 【コレで安心】海外旅行の持ち物チェックリスト!必需品から便利グッズまで完全網羅
イタリアで便座がないトイレの謎
ヨーロッパの中でも、特にイタリアを旅行した多くの人が衝撃を受け、そして困惑するのが、「便座がないトイレ」の存在です。
念のため言っておくと、和式トイレという意味ではありません。ちゃんと西洋式の便器(陶器)はあるのに、その上に座るためのプラスチック製の便座(toilet seat)が、丸ごと欠如しているケースが頻発するんです。
これ、どうやって使うの?と本当に悩みますよね。(多くの人は、便器のフチに直接触れないよう、中腰の「空気椅子」状態で使うか、大量のトイレットペーパーを敷き詰めて防御壁を作るようです…)
なぜ便座がないのか、理由は諸説あります。
イタリアの便座がない理由(諸説)
- 破損・盗難説: 多くの人が乱暴に使うのですぐに壊れる、または盗まれるため、最初から外している。(ただ、「イタリアだけそんなに壊れる?」と懐疑的な意見も多いです)
- 清掃容易説: 便座がない方が、床や便器全体を水で丸洗いしやすく、清掃が楽だから。
- 逆説的衛生説: どうせ汚くて座れない便座に触れるくらいなら、ない方が(空気椅子で使えて)衛生的だ、という逆説的な考え方。
- インフラ老朽化説(最有力): これが最も現実的な理由とされています。建物やトイレ設備が古すぎて、サイズが標準化されていないんです。そのため、一度便座が壊れてしまうと、適合する交換用の部品が市場に存在せず、修理がほぼ不可能になるため、外したまま放置されている、という事情です。
イタリア旅行の際は、「便座はないもの」くらいの心構えでいたほうが、精神的なダメージが少ないかもしれません。
シンガポールは罰金で清潔を維持
アジアでトップクラスの「綺麗な国」として知られるシンガポール。この清潔さは、日本の「文化的な意識」や「おもてなし」とは少し異なり、「法的な強制力」によって厳格に維持されています。
シンガポールは、公衆衛生に関する多くの厳しいルール(罰金制度)が存在することで有名です。
- 公共の場でのつば吐き: 最大S$1,000の罰金
- ポイ捨て: 高額な罰金
- 蚊を発生させること(デング熱防止のため、植木鉢の受け皿などに水を溜める): S$5,000以下の罰金または禁固刑
その中でも特に象徴的なのが、トイレに関する法律です。
「公衆トイレで水を流さないこと」は違法です。
もし違反した場合、なんと最大でS$1,000(約11万円超)の罰金が科される可能性があります。これは単なる脅しではなく、検査官がしばしば巡回してチェックしているとされています。
(※罰金額やレートは変動する可能性があるため、あくまで目安としてください)
シンガポールのトイレが綺麗なのは、国民性や文化という側面ももちろんあるでしょうが、それ以上に、こうした厳格な法規制と罰則によって担保されている「制度的な清潔さ」と言えますね。
台湾が綺麗になった政策的な背景
日本人にも大人気の旅行先、台湾。美味しいグルメや親しみやすい雰囲気で知られますが、実は、かつては韓国と同様にトイレットペーパーを流せないトイレが多い国でした。
しかし、近年の台湾のトイレ事情は、政府主導の改善計画によって劇的に衛生環境が向上しています。
2017年頃、台湾の行政院(日本の内閣にあたる機関)は、「公衆トイレの状態が外国人観光客の第一印象を左右し、国の進歩の程度を判断する指標である」と明確に位置づけたんです。
そこで、環境保護署が「優質公廁推動計画」という国家プロジェクトを策定しました。
- 老朽化した公衆トイレ(約7,000ヶ所)の修繕
- 清掃頻度の増加(これはシルバー人材の雇用創出も兼ねていました)
- 最大の変革:トイレットペーパーを便器で流すことを奨励し、インフラと文化の両面から改善を図った
台湾の事例は、公衆トイレの清潔さが「国家イメージの向上」と「観光産業の振興」に直結する重要な課題として、政策的に改善可能であることを示す素晴らしいモデルケースかなと思います。
タイのトイレの流し方と水桶文化
微笑みの国・タイですが、トイレは特に地方やローカルな施設において、独自の使用方法が求められることがあります。
バンコクの高級ホテルや新しいショッピングモールでは、快適な洋式水洗トイレが主流です。しかし、観光地の古い施設や田舎のローカルな食堂などでは、今でも「タイ式」のトイレに出会うことがあります。(日本の和式とは少し形が違います)
最大の特徴は、流し方です。水洗ボタンやレバーはなく、トイレの横にある貯水槽(水甕)の水を、桶(おけ)ですくって便器に流し込みます。その水流の勢いで排泄物を流すわけですね。
タイ式トイレの注意点
- 紙は流せない: 排水管が狭いため、使用した紙は個室内のゴミ箱に捨てます。これは洋式トイレでも同様の場合が多いです。
- 紙がないことも: ローカルなトイレにはトイレットペーパーが設置されていないことが多いです。旅行者はポケットティッシュ(水に流せるタイプ)の携帯が必須です。
- 本来の使い方: そもそも伝統的なスタイルではトイレットペーパーを使わず、貯水槽の水を桶ですくい、その水で(手を使って)洗浄し、自然乾燥させます。
タイ式の流し方は、最初は戸惑うかもしれませんが、桶の水を勢いよく流し込むのがコツです。
中東のシャッタフという洗浄習慣
中東諸国やトルコ、インドネシアなどイスラム文化圏のトイレで標準装備されているのが、「シャッタフ(Shattāf)」と呼ばれるハンドヘルドビデ(お尻ホース)です。
これは、トイレの便器の横に、小さなシャワーヘッドのようなホースが設置されているものです。
使用方法は、用を足した後、トイレットペーパーで拭く前に、まずこのシャッタフのホースで水を噴射して洗浄します。
じゃあトイレットペーパーは何に使うのかというと、主な役割は洗浄後に「濡れた箇所を乾かす(水気を拭き取る)」ために使われるんです。
この文化圏では、水を使わずに紙だけで拭き取ることは「不潔」と見なされることが多く、水による洗浄こそが最も衛生的である、と考えられています。日本の温水洗浄便座に慣れている私たちからすると、むしろ合理的で快適なシステムかもしれませんね。(水圧が強すぎることがあるので注意が必要ですが!)
なぜ紙をゴミ箱に捨てる国がある?
ここまで見てきたように、韓国やタイ、その他アジアや南米、東欧などの多くの国で「トイレットペーパーを便器に流せない」という文化(ルール)に直面します。
日本人旅行者が最もストレスを感じるポイントの一つですが、これは決して利用者のマナーが悪いからではありません。根本的な原因は、国のインフラ(配管と水圧)にあります。
なぜ流せないのか、主な理由は3つです。
1. 排水管の設計(配管の細さ・勾配)
トイレットペーパーを流すことを前提としていない国や、インフラが古い地域では、排水管が非常に細く設計されています。また、排水管の勾配(傾き)が適切でない(逆勾配など)場合、排泄物が流れにくくなります。
このような配管では、日本のトイレットペーパーのように水に溶けやすい紙であっても、物理的に管を通過できず、詰まりの直接的な原因となってしまいます。
2. 水圧の不足
トイレットペーパーを流し切るには、タンクから便器へ流れる水の「圧力(勢い)」が不可欠です。しかし、国や地域によっては、以下のような理由で水圧が不足しています。
- 地域の水道の給水圧が、トイレ(タンク)が要求する最低必要水圧を満たしていない。
- タンク内の部品が劣化しており、十分な量の水が一度に流れない(例:「大」で流してもチョロチョロとしか流れない)。
水圧が弱いと、トイレットペーパーは便器内や排水管の途中で止まってしまい、深刻な詰まりを引き起こします。
3. 水に溶けない紙の使用
トイレットペーパー(toilet paper)とティッシュペーパー(tissue paper)は、似て非なるものです。トイレットペーパーは水に溶けやすい(水解性)ように作られていますが、ティッシュやおしり拭き、掃除用シートは水に溶けにくい素材でできています。
トイレットペーパーが普及していない国では、代用品としてティッシュペーパーを使うことがあり、これを流せば当然詰まります。そのため、施設側としては「何を流されるか分からない」リスクを避けるため、「あらゆる紙」を流さないよう、一律にゴミ箱へ捨てるよう指示するしかない、という事情もあります。
旅行先での判断基準は「ゴミ箱」
海外のトイレを利用する際の最も確実な判断基準は、「便器の横に、使用済みペーパーを入れるためのゴミ箱(waste bin)が設置されているか」です。
もし個室内に大きなゴミ箱が設置されていたら、それは「トイレットペーパーを流してはいけない」という明確なサインです。インフラが紙の処理に対応していないため、現地のルールに従い、使用した紙はゴミ箱に捨てる必要があります。
トイレが綺麗な国ランキングの総括
ここまで見てきたように、「トイレが綺麗な国 ランキング」というシンプルな問いに対する答えは、何を基準にするかで全く変わってくる、というのが結論ですね。
最後に、2つの異なる基準でランキングをまとめてみます。
1. 公衆衛生インフラ(客観的)ランキング
WHO/UNICEF JMPの「安全に管理された衛生設備」の普及率に基づけば、トップはスイス、アンドラ(共に100%)、オーストリア(99%)といった、下水インフラが完全に整備されたヨーロッパ諸国です。これは「国民が安全な衛生環境にアクセスできるか」の指標ですね。
2. 旅行者の快適性・清潔性(主観的)ランキング
一方で、私たちが旅行者として体験する「快適さ」「清潔さ」「技術」「無料かどうか」を基準にするならば、ランキングは大きく変動すると私は思います。
【主観的】トイレ快適国ランキング(零の私見)
| 順位 | 国 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 1位 | 日本 | 温水洗浄便座の圧倒的普及。利用者の高い衛生意識。プロフェッショナルな清掃。そして「おもてなし」としての文化。主観的評価では他国の追随を許しません。 |
| 2位 | シンガポール | 罰金という強力な法的拘束力により、公共の場の清潔さが制度的に維持されています。空港やモールのトイレは非常にハイレベルです。 |
| 3位 | 台湾 | 国家政策として公衆トイレの改善に取り組み、インフラと文化の両面で「トイレットペーパーを流せる」清潔な国へと急速に変貌を遂げました。 |
本レポートが示すように、「トイレの綺麗さ」は、単なる清潔度の問題ではなく、その国のインフラ水準、経済力、文化的背景、生活習慣、さらには法制度までを反映する複雑な指標です。
旅行への最終的なアドバイス
海外旅行においては、日本の高いトイレスタンダードを基準に考えるのではなく、訪問先の「トイレ文化」を事前に理解し、尊重することが不可欠です。
- ヨーロッパでは、便座がなくても驚かず、有料トイレのための小銭を準備する。
- 韓国やタイでは、個室にゴミ箱があれば、紙は流さずゴミ箱に捨てる。
- 中東では、シャッタフで洗浄し、紙は乾燥にのみ使用する。
こうした知識こそが、旅行者が異文化のトイレで直面するストレスを軽減し、快適な旅行を続けるために最も有益な「データベース」となります。
また、海外では衛生環境の違いから体調を崩すこともあり得ます。トイレ事情の確認とあわせて、万が一の際の備えも重要ですね。
参考記事: 海外旅行保険は入るべき?いらない?クレカ付帯で十分か徹底解説!
旅行の際は最新情報の確認を
この記事で紹介した各国のトイレ事情やルール(罰金、料金など)は、私が調査した時点での情報や一般的な傾向です。
法律や現地の状況は日々変わる可能性があります。特に罰金や料金に関する正確な情報は、旅行前に最新のガイドブックや現地の観光局公式サイトなどで確認するようにしてくださいね。
