虹色トカゲは絶滅危惧種?青い尻尾の正体と捕獲のルールを解説

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虹色トカゲは絶滅危惧種?青い尻尾の正体と捕獲のルールを解説
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庭の草むらやキャンプ場の岩場で、ふと足元を見ると、宝石のように輝く青い尻尾を持つトカゲがササッと走っていく…。そんな幻想的な光景に出会い、そのあまりの美しさに目を奪われた経験はありませんか?

「虹色トカゲ」とも呼ばれるこの生き物の正体はいったい何なのか。そして、その希少な見た目から「もしかして絶滅危惧種なのでは?」「捕まえて飼育しても法的に問題ないの?」と、疑問や不安を感じる方も多いはずです。特に子供が目を輝かせて「捕まえたい!」と言い出したとき、親としては正しい名前や生態、そして守るべきルールをしっかり把握しておきたいですよね。

実は、このトカゲを取り巻く状況は、住んでいる地域によって「よく見かける生き物」から「局所的に希少な存在」まで大きく異なります。この記事では、虹色トカゲの正体から、複雑な絶滅危惧の現状、そして飼育のリアルな難易度まで、徹底的に解説します。

この記事のポイント
  • 虹色トカゲの正体がニホントカゲの幼体である科学的根拠
  • お住まいの地域によって大きく異なる絶滅危惧種の指定状況
  • 捕獲する前に知っておくべき法律上のルールと自治体の条例
  • 安易な飼育が命取りになる理由と必要な設備投資の現実
目次

虹色トカゲの正体と絶滅危惧種に関する真実

まずは、あの神秘的な輝きを放つトカゲが生物学的にどのような存在なのか、そして「絶滅危惧種」という噂の真相について、地域ごとの状況を交えながら詳しく紐解いていきましょう。

  • 虹色トカゲの正体はニホントカゲの幼体
  • 青い尻尾が光る理由と成長による変化
  • ヒガシニホントカゲの地域別ランク解説
  • 東京都や千葉県での生息状況と減少要因
  • 庭先で見つけた際の正しい対処法と観察

虹色トカゲの正体はニホントカゲの幼体

虹色トカゲの正体はニホントカゲの幼体
イメージ:まっさらログ

結論から言うと、日本に「虹色トカゲ」という名前の種は存在しません。私たちがそのように呼んでいる生き物の正体は、日本に広く分布する「ニホントカゲ(Plestiodon japonicus)」、あるいは東日本側を中心に分布する「ヒガシニホントカゲ(Plestiodon finitimus)」の幼体(子供)です。

かつて、これらは一括して「ニホントカゲ」とされていましたが、分子系統学的な研究などにより系統の違いが整理され、2012年にヒガシニホントカゲが別種として記載されています。

地域による種類の違い

大まかな分布としては以下のようになります。

  • ニホントカゲ:本州(近畿地方の西側を中心とする地域)・四国・九州など。
  • ヒガシニホントカゲ:本州(近畿地方の東側を中心とする地域)など。なお、北海道では「奥尻島の地域個体群」など、限られた記録・扱いが知られています。
  • オカダトカゲ:主に伊豆半島・伊豆諸島に分布する系統(島しょ部を中心に地理的変異が大きいことで知られます)。

そして、どの種(系統)でも、生まれたばかりの幼体の時期だけ、あの特徴的な「黒っぽい体に明るいライン、そしてメタリックブルーに輝く尻尾」を持ちます。つまり、あなたが関東で見かけたなら「ヒガシニホントカゲの子供」、関西で見かけたなら「ニホントカゲの子供」である可能性が高いのです(ただし境界域や島しょ部では例外もあり得ます)。

青い尻尾が光る理由と成長による変化

なぜ、子供の時期だけあんなに派手な色をしているのでしょうか。あの鮮やかな青色は、色素(絵の具のような色)によるものではなく、皮膚の微細構造が光と相互作用して色がついて見える「構造色」として説明されます。これは、CDの裏面やタマムシの羽、モルフォチョウが光って見えるのと同系統の物理的な現象です。

生存のための「デコイ効果」

自然界で目立つことは、天敵に見つかりやすくなるためリスクが高いように思えます。しかし、この派手な尻尾は捕食者の注意を致命傷になりやすい「頭」ではなく、切り離して逃げられる「尻尾」に向けさせる役割があると考えられています(いわゆるデコイ効果)。

鳥や猫などに襲われると、彼らは自ら尻尾を切り離し(自切)、切れた尻尾が地面で動いて相手の注意を引きつけます。その間に本体が逃げることで生存確率を上げる、という戦略です。

大人の姿への変化

成熟して大人になると、この「虹色」は徐々に目立たなくなります。体色は全体として褐色〜茶褐色系へ移り、繁殖期のオスでは喉元や顎のあたりが赤みを帯びて見えることがあります。メスもラインが残る場合はありますが、幼体のような鮮烈な青い尻尾は基本的に薄れていきます。あの美しさは、主に子供時代に見られる期間限定の輝きなのです。

ヒガシニホントカゲの地域別ランク解説

ヒガシニホントカゲの地域別ランク解説
イメージ:まっさらログ

「絶滅危惧種ではないか」という懸念については、国レベルと地域レベルで評価に差が出やすいのが現状です。

環境省が公表する日本のレッドリスト(全国評価)では、少なくとも「絶滅のおそれがある種」として挙げられる対象に、ニホントカゲ/ヒガシニホントカゲは含まれていません。つまり、全国一律で見れば、直ちに高い絶滅リスクが示されている立場ではありません。

一方で、都道府県ごとのレッドデータブック(RDB)やレッドリストでは、地域事情(生息地の減少や分断など)を反映して、「地域的な絶滅リスクが高い」として掲載されることがあります。以下の表は、関東周辺の主な自治体における評価例をまとめたものです(カテゴリ名や表記は自治体ごとに異なるため、併記・補足を入れています)。

自治体対象種(学名)ランク(危機度)
千葉県Plestiodon finitimus(ヒガシニホントカゲ)絶滅危惧Ⅰ類
※千葉県では「重要保護生物(B)」等の表記で示されることがあります。
東京都Plestiodon finitimus(地域差あり)区部:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)/本土部:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
※多摩地域でも区分により評価が分かれます。
栃木県Plestiodon finitimus絶滅危惧Ⅱ類
※自治体資料では「Bランク」等の表記が用いられる場合があります。
埼玉県Plestiodon finitimus準絶滅危惧
※「NT2」など、細分類で示される場合があります。

(出典:各自治体が公表するレッドリスト/レッドデータブック等)

東京都や千葉県での生息状況と減少要因

上の表で示した通り、千葉県では「絶滅危惧Ⅰ類」として、県内では特に慎重な扱いが求められる区分に置かれています。東京都でも、地域によって評価が分かれており、特に区部(23区側)では確認地点が限られるとされる一方、多摩地域では場所によっては見られることもあります。

彼らが減っている要因として大きいのは、「地面の改変(舗装・造成)による生息環境の喪失と分断」です。トカゲたちはヤモリのように壁面へ張り付いて生活するタイプではなく、地表の落ち葉の下、石の隙間、土の中の浅い空間などを隠れ家として利用します。冬越しや産卵も、土や腐植のある環境と強く結びついています。

都市化で地面がアスファルトやコンクリートに置き換わると、隠れる場所や産卵・越冬に適した環境が減ります。また、道路や造成で生息地が細切れになると、個体群が小さく孤立しやすくなり、結果として局所的に消えてしまうリスクが高まります。つまり、彼らは「都市化の影響を受けやすい生き物」と言えるでしょう。

庭先で見つけた際の正しい対処法と観察

もし、あなたの家の庭や近所の公園で虹色トカゲを見かけたなら、それはとても嬉しいサインです。そこにはまだ、彼らが暮らせるだけの土壌や、餌となる小さな虫たちが息づく環境が残っている可能性が高いからです。

見つけた際は、無理に追い回して捕まえるのではなく、「そっと観察する」ことを強くおすすめします。彼らは変温動物なので、晴れた日の午前中などに日向ぼっこ(バスキング)をして体温を上げていることがあります。

遠くからスマホのカメラのズーム機能を使って撮影し、その美しい鱗の輝きを画面越しに観察するのは、彼らを傷つけずに楽しむ最高の方法です。無理に捕まえようとすると、彼らは命がけで尻尾を切って逃げることがあります。尻尾は再生しますが、再生には体力・栄養が必要で、幼体では成長や体調に影響が出る可能性もあるため、できるだけストレスを与えないのが安心です。

虹色トカゲは絶滅危惧種でも捕獲可能か

次に、多くの人が気になる「捕まえても法律的に大丈夫なのか」という点と、もし飼うならどのくらいの覚悟と費用が必要かについて、現実的な視点から解説します。

  • 捕獲は法律違反になるかどうかの解説
  • 埼玉県の条例や保護が必要なエリア
  • 飼育が難しい理由と必要な初期費用
  • 紫外線ライトや生き餌の確保について
  • 寿命を延ばす環境作りと販売価格
  • 虹色トカゲと絶滅危惧種の共生への道

捕獲は法律違反になるかどうかの解説

捕獲は法律違反になるかどうかの解説
イメージ:まっさらログ

「絶滅危惧種」と聞くと、「捕まえたら警察に捕まるのでは?」と心配になるかもしれませんが、レッドリストへの掲載そのものは、直ちに捕獲禁止や罰則に結びつく仕組みではありません。レッドリストは「絶滅リスクの評価」として社会に警鐘を鳴らすもので、規制の有無は別の法令(種の保存法の指定、自然公園法の区域規制、自治体条例、公園の管理規則など)で決まります(出典:環境省「環境省レッドリスト2020の公表について」)。

したがって、ニホントカゲ類に関しては、少なくとも全国一律で「捕獲しただけで直ちに違法」となる扱いではないケースが一般的です。ただし、これは「どこでも自由に捕まえてよい」という意味ではありません。採集場所が私有地なら所有者の許可が必要ですし、公園や保護区では管理規則で動植物の採取自体を禁じていることもあります。

注意:場所による規制は厳守

ただし、場所自体が保護されている場合は別です。国立公園などでは区域(特別保護地区など)によって動植物の捕獲・採取が制限されることがありますし、自治体の条例や公園のルールで採集が禁止されているケースもあります。採集に出かける前には、必ずその場所のルールを確認してください。

国立公園など「場所の規制」の考え方をもう少し整理したい場合は、国立公園での採集が問題になり得るケースと事前確認のコツ(オオクワガタの事例)も参考になります。

埼玉県の条例や保護が必要なエリア

「レッドリスト=捕獲禁止ではない」とお伝えしましたが、これには重要な例外があります。自治体が独自に制定する条例です。

例えば、埼玉県には「埼玉県希少野生動植物の種の保護に関する条例」があり、県が指定する「県内希少野生動植物種」については、捕獲等に届出が必要となる仕組みがあります。ポイントは、“レッドリスト掲載”とは別に、条例で“指定された種”かどうかです。

なお、埼玉県の「県内希少野生動植物種一覧(令和7年11月25日現在)」として公表されている指定種の一覧を見る限り、ニホントカゲ類は指定種としては挙がっていません(※指定種は今後追加・見直しがあり得ます)。準絶滅危惧などに指定されている地域では、今は大丈夫でも将来的に扱いが変わる可能性があるため、「法律で決まっていないから何でもあり」ではなく、「その地域で減っているなら、そっとしておく」という配慮がとても大切です。

「レッドリストに載る=違法?」の整理をもう少し深掘りしたい場合は、レッドリストと捕獲規制の違いを整理した解説(ミズカマキリの事例)も役立ちます。

飼育が難しい理由と必要な初期費用

飼育が難しい理由と必要な初期費用
イメージ:まっさらログ

「子供が捕まえてきたから飼いたい」という相談をよく受けますが、現実的には「ニホントカゲの飼育は簡単ではなく、相応の準備が必要」というのが正直なところです。「その辺にいるトカゲだから簡単だろう」というのは誤解になりやすいポイントです。

野生のトカゲは0円で手に入りますが、安定して飼育するための環境を整えるには、それなりの初期投資が必要です。通気や温度管理が不十分な小型ケースだけで始めると、ストレスや栄養不足、体調不良で短期間に弱ってしまうことが少なくありません。

本格的な飼育セットの目安価格

健康に飼育するために用意しておきたい設備の目安です(飼育環境・部屋の温度によって変動します)。

  • 爬虫類用ケージ(45cm〜60cm):5,000円〜10,000円
    ※脱走防止機能があり、通気性の良いもの。
  • 紫外線ライト・バスキングライト・照明器具:5,000円〜8,000円
    ※日中活動するトカゲでは「日光の代替」として重要です。
  • 床材(ヤシガラ土など)・シェルター・水入れ:3,000円〜5,000円
  • カルシウム剤・ビタミン剤:1,000円〜

合計:約15,000円〜25,000円

紫外線ライトや生き餌の確保について

ニホントカゲの飼育で初心者がつまずきやすいポイントが「紫外線(UVB)」「餌(虫)」です。

できれば用意したい紫外線

彼らは昼行性で、日光下で行動します。飼育下でも、紫外線(UVB)を与えることで体内のビタミンD3合成を助け、カルシウム代謝のトラブル(代謝性骨疾患など)のリスクを下げるという考え方が一般的です。ガラス越しの光ではUVBが大きく減るため、屋内飼育では専用ライトを使うのが無難です。

動く餌への反応が強い

また、彼らは主に昆虫などを食べる食性で、特に野生由来個体では「動く餌」への反応が強い傾向があります。人工飼料や加工食品だけで安定維持するのは難しいことが多く、飼い主はコオロギやミルワームなどの餌昆虫を入手し、管理して与える必要が出てきます。「トカゲは可愛いけど、家の中に虫がいるのは無理」という理由で飼育を断念するケースも多いため、ここが飼育できるかどうかの大きな分かれ道になります。

寿命を延ばす環境作りと販売価格

適切な環境(温度勾配、紫外線、隠れ家、栄養バランスの取れた餌)を用意できれば、ニホントカゲ類は5年程度、条件次第ではそれ以上生きる例も知られています(ただし個体差があります)。

フリマアプリでは飼育用品が取引されている一方、大手サービスでは規約上「生き物」の出品が禁止されていることが一般的です。もし飼育を始めるなら、道具はネットや専門店で揃えられますが、生体は自分で捕獲するか、爬虫類専門店などで入手する形になります。繁殖個体(CB個体)であれば、人に慣れやすかったり、給餌が比較的スムーズだったりする場合もあります。

虹色トカゲと絶滅危惧種の共生への道

「虹色トカゲ」との出会いは、あなたの身近な場所に、まだ自然の“住みか”が残っていることのサインです。しかし、地域によっては希少種として扱われているという事実は、私たちの住む環境が、彼らにとって少しずつ住みにくくなっている可能性も示しています。

捕まえて飼育することも、生き物を愛する一つの形です。でも、もし飼育する自信がなければ、「捕まえずに、彼らが住める環境を庭に残す」こともまた、立派な行動です。庭の片隅に石を積み上げたり、落ち葉を掃除しすぎずに残しておいたりするだけで、あの美しい虹色のトカゲたちが、これからも私たちのすぐそばで輝き続けてくれるかもしれません。

「国と地域で絶滅危惧の評価が違う」考え方をもう少し具体例で理解したい方は、地域で評価が分かれる事例の解説(アズマヒキガエル)も参考になります。

虹色トカゲは絶滅危惧種?青い尻尾の正体と捕獲のルールを解説

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この記事を書いた人

はじめまして、管理人の「零(れい)」です。 このブログ「まっさらログ」にお越しいただき、本当にありがとうございます。
ここは、日常で感じたことや新しく始めたことを、「まっさら」な視点で記録していく雑記ブログです。

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